超量的緩和策は依然として日本経済をデフレの悪夢から救い出していないが、この政策を推進した日銀はあふれんばかりの利益を手にしている。日銀の2014年度の当期残余金は、前年度比28%増の1兆90億円に達し、13年ぶりの高水準となった。しかし日銀は最終的に金融政策の正常化に取り組むことになり、この大量の資産が失われ、逆に日本政府に支援を求める可能性もある。日銀が特に重視する独立性が、危機を迎えようとしている。
最終利益が1兆超え
2年以上に渡る大規模な資産買い入れにより、日銀はかつてないペースでそのバランスシートを拡大した。日銀が購入した資産は、利益を生み始めている。
日銀が5月27日に発表した年度決算によると、当期残余金は28%増の1兆90億円で、13年ぶりの高水準となった。
多くの収益は国債の利子や海外資産から得られた。大幅な円安により、円建ての海外資産の帳簿上の金額が増加した。海外資産の収益は27%増の8571億円で、うち外貨収益が7602億円、海外の株の収益が869億円。
金融緩和終了後は赤字の恐れも
アナリストは、巨大なバランスシートは将来の危険をはらんでいると指摘した。
CNBCは28日、「債券および外貨建て資産の収益により、日銀の利益は13年ぶりの高水準に達している。しかし日銀は最終的に金融政策の正常化に取り組まなければならない。この蓄積された巨額の資産が、問題を起こす可能性がある」と報じた。
日本の4月のコアCPIは0.2%に低下する見通しだ。多くのエコノミストは、物価水準が今後数ヶ月に渡り低下を続けると予想している。
黒田東彦総裁は先週開かれた記者会見で、「量的緩和策の終了に関する具体的な件について議論するのは時期尚早だ」と述べた。
黒田総裁は2%という物価上昇目標にはゆるぎがないと強調し、この目標の実現は1年遅れとなり、2016年度内に実現される見通しだと述べた。
しかし物価上昇は日銀にとって及びもつかないことであり、2%という目標の達成ならばなおさらだ。
JPモルガンのエコノミスト、足立正道氏はCNBCに対して、「日銀が金融引締め策を開始すれば、巨額の損失を蒙り、負債の苦境に陥り、政府に資本注入を要請せざるを得なくなる恐れがある」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年5月29日