ソニーが発表した最新の2014年度連結業績によると、売上高は前年度比5.8%増の8兆2159億円に達したが、モバイル・コミュニケーション事業の赤字が悪化した。先ほど富士通などの携帯電話メーカーは、2017年より自社OSを搭載したガラケーの生産を停止すると発表した。今後すべての携帯電話は、グーグルのアンドロイドを搭載することになる。
日本メディアはこれを、日本の携帯電話開発モデルの「集団撤退」と分析している。携帯電話は日本の製造業の、革新力の低下の縮図となった。
革新と市場の分離
日本企業は1980年代以降、生産コストを削減するため、拠点を海外にシフトしたが、設計・開発センターを日本にとどめた。これにより技術の開発と市場の開拓の分離が生じた。日本製家電は精巧で、過度な機能を持ち割高だ。多くの日本企業は海外を安い生産拠点としており、現地の市場の需要を十分に研究していない。「一般的な機能を持つ、半額の商品」という新興国の消費者の需要に対して、日本ブランドの競争力は大きく割り引かれる。
今日も日本は依然としてスマホ産業チェーンの隠れたチャンピオンだ。アップルやサムスンなどの大手携帯ブランドの、パネルやカメラといった重要部品は、日本企業から供給されている。ユーザーの需要を適切に把握していないため、日本は高い技術力を人々に歓迎される製品に変えることができなかった。
一橋大学の鷲田祐一准教授は、「ネットワーク時代の革新は、技術開発ではなくユーザーの需要が中心になった。企業は、良い技術があれば市場を手にできると過信してはならない」と指摘した。
大企業病による行動の遅れ
三洋電機は今年3月、日本国内で最後の子会社をファンドに売却した。かつての家電大手が、静かに歴史の舞台から退いた。