三洋電機の敗因は、効率低下の原因となる日本の「大企業病」だ。大企業において、各部門は真面目に働いているように見えるが、管理が多くなっている。長い過程を経て経営層に届いた情報は、往々にして実際の価値が失われている。
森田純氏は、ハイアールアジア株式会社広報部長だ。ハイアールは2012年に、長年赤字続きだった三洋電機の白物家電事業を買収した。森田氏は、「三洋電機の白物家電事業は、3万人の従業員を擁していた時期がある。ひとつのアイディアの提出から決定までに、10プロセス以上の手続きを経なければならない。良いアイディアであっても、このような長いルートを辿らなければならないため、平凡なアイデアになってしまう」と指摘した。
ハイアールアジア株式会社代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏は、「日本の大企業は巨大な恐竜のようなもので、市場の変化への反応が鈍く、行動が緩慢だ」と語った。
年功序列でリスクを嫌う
調査によると、海外留学や創業を願う日本の若者は、他国の同世代の人々と比べ極端に少ない。高度経済成長期に、日本企業は熟練した職員を引き止めるため、終身雇用制を採用した。年功序列制では、勤続年数が長いほど給与が上がる。若者は大企業で安穏とすることを望み、リスクを犯してまで創業しようとは思わない。
鷲田氏は、「科学の問題は人の問題だ。革新的な精神と能力を持つ若者を養うためには、世界の学術誌で論文をどれほど掲載したかを重視するのではなく、市場を通じて技術と人に対話させる必要がある」と論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年5月29日