中国商務部ウェブサイトにこのほど、ドイツメディアのある記事が転載された。これによると、ドイツ鉄道はまもなく、調達専門オフィスを北京に設立する。中国は今後3年から5年以内に、ドイツ鉄道の機関車と部品の調達で重要な地位を占めることになる見込みだ。(文:王夢恕・中国工程院院士、李天陽による取材・整理)
ドイツが中国高速鉄道の列車購入を準備しているというニュースは、かつての「師匠」がその「弟子」にお墨付きを与えた証拠としてとらえられている。中国の高速鉄道が今日の成果を実現できたのは、ドイツという巨人の肩を借りることができたためである。北京・上海高速鉄道の機関車の準備期、中国の工業技術では時速350kmを超える軌道機関車を製造することはできなかった。この問題を解決するため、鉄道部は2007年、500億元を投じてドイツの機関車500台を購入した。ドイツ人は約束通り、12台の部品と組み立ての技術など工芸・加工全体の製品・知識を中国に与えた。その後、中国はドイツの機関車を土台として、これを学ぶことによって革新を進め、自身の改良を重ね、5年も経たずに中国の特色ある「和諧号」を作り出した。「和諧号」はその標準から技術、設備にいたるまで中国人の産物であり、いかなる海外の特許も利用していない。
中国高速鉄道の軌道技術は非常にしっかりしたもので、例えば重慶・蘭州間の800kmの線路のうち600kmはトンネルである。これほど長距離のシームレスレールの工事の過程では、約100度に達する温度差などの多くの困難を克服する必要があった。海外のエンジニアは、「これほどの工事は我々では想像もできないが、中国はそれを始めてあっという間に仕上げてしまう」と舌を巻いている。