復旦大学のPRビデオの盗作疑惑は、他国の創意を節操もなく「参考」にする近年の傾向に根ざしている。一部の人は、この実際には盗作である行為に喝采の声をあげ、盗作も実力だと称している。創意に近道はない。他人の創意の成果に対する横領は、他人に損失をもたらし、自身の創意の意識と能力を脆弱にする。これは中国に優秀なオリジナル作品が不足している根本的な原因だ。
PRビデオの制作者は、東京大学のPRビデオを参考にしたことを認め、さらに「当初の認識が間違いだった」ことを意識してはいるが、本人も大学側もこれが盗作行為であることを認めていない。この処理方法は、本件の性質を損ね、さらにすべての教員・生徒、および社会の人々の価値観の教育にも悪影響をおよぼす。盗作が明らかである以上、これを根拠に当事者の調査と処分を行うと同時に、大学側はすべての生徒と教員に謝罪するべきだ。この盗作に対する明確な態度は、社会を「グレーゾーン」から救い出し、明確な認識を持たせることになる。
「大衆創業、万衆革新」は、中国社会の持続的な進歩の原動力である。革新的精神の発祥地・守護神であるはずの大学が、PRビデオや校訓の盗作ばかりをするならば、その革新的精神とはどこにあるのだろうか?(繰り返し)我々の社会には、革新に対する尊重、革新の成果に対する保護という、切実な需要が存在する。復旦大学のPRビデオの件は全社会に対して、革新に存在する不足と問題を深く分析する一つのチャンスをもたらした。これほどあっさりと手を引くのではなく、深く反省し、大学・社会全体に対して、原作を尊重し保護する教育を行うべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月1日