日本メディアの報道によると、安倍晋三首相は昨日と本日ドイツで開かれるG7サミットで南中国海問題について議論し、G7の統一的な立場を形成しようと取り組んでいる。G7サミットではウクライナ問題と対露制裁問題が議題に上がるため、これと同時に中国に「砲火」を浴びせれば興味深いことになる。
G7は中露に同時に強硬姿勢を示すという圧力に耐えられそうにない。G7サミットは毎回「世界事業を網羅」しようとするが、多くの場合は上っ面をなでるだけになる。G7は1990年代のピーク時の影響力をとっくの昔に失っている。G7は当時、自らを世界の「政治構造」としていた。今やG7が世界経済に占める比率が低下し、世界に対する実質的な干渉力もかつての比ではなくなった。
もう一つ重要なことがある。今日の欧州は、南中国海から地理的にも心理的にも遠く離れている。米日の南中国海問題への介入の動機は、英仏独伊の興味を引かない。むしろ各国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー国になっており、人民元を国際通貨基金の特別引き出し権の通貨バスケットに採用させようと熱心になっている。
今回のG7サミットの主催国であるドイツの世論には、その他の要請もある。例えばより温和な姿勢でロシアと向き合い、ロシアを再び受け入れG8を回復し、さらには中国を招き世界に影響を及ぼすG9構造を形成するといったことだ。G7は昨年の会議後の声明で、南中国海にそっと触れた。同問題を際立たせようとする安倍首相の狙いは主流ではなく、中国に厳しい態度を取るべきかをめぐり欧州諸国と駆け引きを展開することになる。