質問4:日本は米国を防衛するか
新ガイドラインは、これまでの2バージョンにおける地理的制限を放棄し、日米同盟は地球規模の性質を持つものだと強調している。これに従えば、日本の自衛隊の活動範囲は地球のあらゆる場所に拡散しうる。しかしこれは本質的には日本の利益から出発するもので、米国の利益から出発するものではない。ハフィントン・ポストの記事によると、安倍政権は自衛隊が負うべき国際的責任について、「人間の安全保障」と人道援助にかなうものに限られると繰り返し強調している。これは米国による出兵要求を回避するためのものである。
中谷元防衛相は最近、米国メディアに「新ガイドラインの下で日本はいかに米国を防衛するのか」と聞かれ、「海洋パトロール」のような形で支援できると答えた。安倍首相も同様の質問に対し、平和維持活動はできるが、湾岸戦争やイラク戦争のような戦争に参加することは絶対にないと断言した。オバマ大統領よ、英語版のガイドラインをきちんと読んでいるのか。
質問5:「用心棒」を引き受ける気なのか
日米両国が安保条約を結んだのは、平和憲法の下で軍隊を持たない日本の安全を米国が保護しなければならないためだった。だが日米のこのガイドラインは、米国を日本の武器に変えてしまった。この武器を得て得意になった安倍首相は声のトーンまで変わってしまったようである。オバマ首相よ、「頼みの綱」から「用心棒」になってしまったことをいったいどう考えているのか。
質問6:なぜ「不平等条約」を受け入れるのか
同盟を結ぶからには、国の大小にかかわらず、お互いに助け合うべきだろう。だが日本側が表明している立場には、気になる点が2つある。
日本は、戦争や突発的な状況の下で他国を支援できるとしているが、その前提は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」としている。東京政策研究大学院大学の安保問題専門家の道下徳成氏はこれについて、同盟国に軍事援助を提供するかについての自己決定権を与える技術的な歯止めとなっていると指摘する。米国の軍艦が日本付近で攻撃を受けたとしても、日本が実質的な支援をできるかは疑わしい。
米国の日本に対する保護については、新ガイドラインの表現ははっきりしている。「米国は引き続き、その核戦力を含むあらゆる種類の能力を通じ、日本に対して拡大抑止を提供する。米国はまた、引き続き、アジア太平洋地域において即応態勢にある戦力を前方展開するとともに、それらの戦力を迅速に増強する能力を維持する」。これによれば米国は、日本により多くのより進んだ武器装備を傾けなければならず、緊急事態の下で日本に軍事支援と継続支援を提供する責任を負うことになる。
オバマ大統領よ、この「不平等条約」を受け入れられるのか。