アベノミクスが量的緩和策という矢を放ち、円安が進行した。これは日本の輸出業界のカンフル剤になり、日本は外国人観光客の目的地になった。在上海日本国領事館が発表した情報によると、2015年1−4月のビザ発給件数は49万8000件に上り、前年同期比で2倍以上となり、2013年通年を27%上回った。このペースであれば、今年通年で200万件を突破する可能性もある。
これは実に得難いことだ。中日の政治関係が冷え込み低迷する中、両国の民間交流の温度は低下していない。特に中国人客の訪日旅行への熱意が高まり続けており、興味深い次の3点が浮き彫りにされている。
(一)経済グローバル化の時代に、一国の金融政策の調整は、その国の貨物・サービス貿易の量的変化を生み、主要貿易相手国との貿易関係の調整を促す。日本は10数ヶ月連続で貿易黒字を計上しているが、これは円安の直接的な影響だ。特にサービス貿易の黒字には、中国人客による貢献がある。
(二)円安と中国人客の海外旅行が、相乗効果を生み出している。2014年は、アベノミクスが「3本の矢」を放ち、日本版QEを実施した重要な年だ。中国の海外旅行者数はこの年に延べ1億人以上、消費額は1500億ドル以上に達し、世界一となった。