中国市場でまだ回復に言及する段階に留まっているトヨタ自動車は、世界販売ナンバーワンの自動車メーカーだ。2014年の世界販売ランキングの首位はトヨタで、フォルクスワーゲン(VW)は2位だ。トヨタは3年連続で世界一に輝いている。
しかしトヨタは中国で過去の輝きを失っている。トヨタは中国自動車市場の高度成長期に、欧米メーカーに後れを取っている。トヨタの世界販売台数に占める中国の比率は低い。トヨタは2014年に中国で103万2400台を販売したが、世界の1023万1000台と比べると、中国市場の貢献は10分の1のみだ。
トヨタの中国での販売不振は、中国市場での取り組みの不徹底によるものだ。メディアはかつて、本土化戦略の不徹底が、トヨタの中国における最大の問題だと指摘した。これによりトヨタは中国自動車市場の需要の変化を正確に把握できず、製品の戦略に問題が生じている。
当然ながらトヨタも、中国市場での「非主流派」のイメージを意識した。トヨタは2014年より、中国市場での取り組みに本腰を入れ始めた。トヨタは昨年、日本以外でCVT(無段変速機)を初めて生産すると発表した。業界関係者はトヨタの新型CVTの中国国産化を、中国戦略の一つの転換点と見ている。
トヨタの本土化の取り組みは、2015年に入ると活発化した。合弁会社の一汽トヨタは3月、ブランドイメージを示す新たなロゴを発表し、「一汽TOYOTA」を親しみやすい「一汽豊田」に変えた。トヨタのハイブリッド技術のイメージキャラクターも5月より、アトムから中国人なら誰もが知るスターの高圓圓と張震に変わった。