「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、日本のメディア文化は西洋とは差があり、日経新聞のFT買収にもチャレンジを投げかけていると指摘している。
ロンドンのあるFT記者は、「オリンパス報道を適切に行えなかった日経新聞についてはやはり不安がある」と語る。
FT元編集者のアンドリュー・ゴワーズは、日経新聞の金融ニュース分野の長期の経験と伝統を考えれば、FTが同社に買収されたのは悪くない選択だったと評価する。だが「日本のジャーナリズムはアングロサクソンのジャーナリズムと文化的な違いがある」ため、日本側には、FTが自らの方式を持つことを認めることが求められる。
ロイター社は、日本企業の海外買収ではこれまでも、企業文化と価値観の差異で失敗したケースが多かったと指摘する。野村証券は金融危機時、ウォール街で破産したリーマン・ブラザース社の一部業務を低価格で買収したが、関係は緊張し、不満は限界に達することとなった。
リーマン・ブラザースの銀行家らは日本の保守主義と官僚主義に我慢することができず、野村のベテラン社員らはリーマン・ブラザース社員の報酬の高さに怒った。
外部の不安の声に対し、日経新聞の幹部らは、FTに対してはより緩やかな管理方式を取り、編集の独立性を保つとの方針を明らかにしている。
岡田社長は、今回の買収は、日経新聞のブランドを海外に普及させることが主な狙いであり、FTのブランド価値と今回の買収が日経の海外進出を大きく加速することを考えれば、買収価格は高いとは言えないと語る。「私たちの今回の買収は利潤を増加させるためのものではなく、ニュース価値を高めるためのものだ」
米国の経済サイト「クオーツ」は、FT買収は日経新聞の戦略措置であるだけでなく、より広い政治的な対外戦略の一環だと指摘する。日本の安倍晋三首相は2013年の国会で、「我が国の理念」は外国人に誤解されているとし、「積極的な情報収集や発信に努め、正しく理解されるようにする」措置を取ることを呼びかけている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月27日