抗日戦争の勝利日が近付くにつれ、中日関係の行方が国際社会と中国社会の関心の的となりつつある。だがほとんどの観察者の関心は、「安倍政権の歴史問題に対する態度」や「日本の再武装」などの重大な政治的問題に集中している。台頭する中国と目を覚ました日本とが全面的な競争に入り、日本が現段階の中国にとってアジアの経済と文化での最大の競争相手となっていることには、十分な光が当てられているとは言えない。
まず東南アジア地区では、日本が1980年代から行ってきた東南アジア深耕戦略と中国経済の進出は直接ぶつかりつつある。さらに中央アジアでは、日本は1990年代中期にはすでに、橋本龍太郎内閣が「シルクロード計画」を打ち出している。
率直に言って、政府が主導し国有企業が率いる中国の海外進出と比べると、日本は「戦略」という視野では少なからず見劣りするものの、現地の社会にいかに入り込み、現地の人々の賛同をいかに得て、投資効率を上げるかという戦術レベルでは、一定の優位性を持っている。この優位性には主に次の3つが挙げられる。
第一に、日本人の目標国に対する調査活動はより厳密で綿密なものである。アジアの国々には、政治・経済・文化・エスニックグループなどの各方面で大きな差異が存在しており、現地の状況を把握できるかは海外進出の成否のカギとなる。日本企業の取り組みはこの面で、より長期的で細かく、全面的なものと言える。企業の中には、数代にわたる指導者が特定地区の調査を続けているものもあり、調査の対象は現地の各方面に及んでいる。これと比べると、中国企業の現地調査は往々にして、十分な時間と一貫した計画を欠いている。中国の国有企業の指導者は海外進出を政治上の業績のためのプロジェクトとみなし、自らの任期の3年から5年で成果を出そうとし、次の代のための準備となる活動には意欲を欠いている。その結果、現地の状況がよくわからないままプロジェクトを進め、目先の利益に走る現象が生じている。これは中国企業に大きなリスクを負わせ、すでに高い授業料を払わせている。
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