半世紀前の東京五輪は、産業発展にわく高度成長期を迎えた日本の首都で開かれた。五輪が2020年に東京で再び開催されることになったが、これは繁栄と成長の終結を象徴している。高齢化問題に直面している東京は徐々に縮小し、郊外では空き家による荒廃した景色が広がっている。
五輪開催を控え、新宿区は新国立競技場の建設に向け土地を確保している。その周辺には、体操館、プール、テニス場、野球場などが建設される。東京のその他のエリアでも交通網の更新が行われており、新しい道路、マンション、ホテルの建設も急ピッチで進められている。この全面的なインフラ更新により、2兆7000億円の資金が費やされる。さらに五輪効果により、20万人分以上の雇用が創出される見通しだ。
しかし2020年の五輪閉幕後、東京は暗い未来に直面する。国連の報告書によると、世界の人口が密集する71都市のうち、4都市の人口が2014−2030年の間に減少する見通しだ。この4都市はいずれも日本に位置し、東京も含まれる。その人口は2030年に、17.%減の3720万人になると予想されている。日本政府が7月に発表した最新データによると、今年1月1日現在の日本の総人口は、前年度比で0.21%減の約1億2616億人となり、最大の下げ幅を記録した。
日本の人口は2008年より減少を開始している。東京を中心とする首都圏には移住者が流入し、2020年の五輪開催まで人口が減少することはない。しかし東京の郊外の団地では、衰退の傾向が見られる。東京都北区はそのうちの一つで、65歳以上の高齢者が4分の1以上を占めている。北区は東京二十三区のうち高齢化が最も深刻なエリアで、一部のマンションは居住者の不足により空室になっている。
東京の出生率はわずか1.13で、さらに外部からの移住者が減少することから、より多くのエリアが北区の二の舞いになるはずだ。安倍政権で総務相に就任した増田寛也氏も昨年、「東京が1位を維持するのは困難だ」と述べた。増田氏は、896の自治体が人口減により消滅すると指摘した。
東京都は、一部の規制緩和による海外の人材と企業の招致といった、人口減の対策を講じている。日本政府は補助金や減税などにより、東京に住む市民を引き留めようとしている。しかしこれらの対策が奏効するかは未知数だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月8日