日本の男女格差、世界104位 「政治ゲーム」では改善できず

日本の男女格差、世界104位 「政治ゲーム」では改善できず。

タグ: 日本 男女格差

発信時間: 2015-08-08 09:44:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

多くの外国人は日本人女性に対し、しとやかで優しく落ち着いており、服装のセンスがあり、料理も上手といったイメージを持っている。日本人女性は、理想的な女性の象徴として語られたりもする。家庭の中では、日本人女性はお金の管理を担当し、夫の財布を管理し、家計がうまく回るカギを握っている。街では、主婦らが乳母車を押し、ゆったりとアフタヌーンティーを楽しんでいる。だがこうしたイメージのある日本人女性の社会的地位は高いと言えるのだろうか。

世界経済フォーラムがこのほど発表した「世界男女格差報告書」では、142カ国のうち日本のランキングは104位にとどまった。昨年に比べれば1ランク上がったが、まだ低い水準である。同報告書は、「職場への進出」「教育」「健康度合い」「政治への参加」の4分野から男女の地位の格差を分析し、各項の平均値に基づいて総合ランキングを算出したものである。そのうち「政治への参加」においては、100点満点で日本はわずか5.8点で、129位だった。「職場への進出」でも102位にとどまり、日本の総合ランクの足を引っ張った。報告書は、「日本の上場企業の取締役のうち女性の比率は調査対象国で最低水準だった」と指摘している。

筆者の見るところ、日本人女性の社会的地位の改善が遅れているのには、次のようないくつかの原因があると見られる。

まず、「男は外、女は内」という伝統的な思想が日本では根深い。日本内閣府が発表した最新の「男女共同参画に関する世論調査」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考えに賛成の人は44.6%を占めている。20年前と比べれば、日本人の家庭や婚姻に対する概念には大きな変化が生じたが、半数近くの人が妻は「家庭を守るべき」と考えているのが実態である。

次に、日本の職場は女性に平等な機会を与えておらず、育児と仕事を両立させるのは難しい。東京で二人の子どもを育てる38歳のある主婦は、かつて建築会社に勤めていたが、一人目の子どもが生まれた際、人事担当者にこう言われたという。「もしも半年以内に職場に復帰できないなら自主退職してほしい。あなたに代わる人はいくらでもいる」。多くの日本人女性は「育児」と「キャリア」の困難な二者択一に直面している。

最後に、税制や福利の角度から考えても、日本では妻の収入がないか、収入が低いかした方が、夫の受けられる援助が多くなり、家庭全体で支払わなければならない税金も少なくなる。これも女性が職場を離れる客観的な環境を作り出している。

日本では労働力不足の問題が深刻化しており、日本政府も近年、女性の潜在力をますます重視し、経済成長促進の戦略的な核心へと女性を据えようとしている。安倍晋三首相も第2次内閣発足後、「女性」というカードを切ってみせた。だが多くの人にはこれは民意を得るためのパフォーマンスと映っている。法政大学の武石恵美子教授は、「安倍政権の女性政策に対する期待が大きければ、失望もそれだけ大きくなる」と語っている。バラ色に見える日本人女性の世界にも問題は山積しており、政治のゲームだけではこれを徹底的に解決することはできない。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月8日

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