日本政府は宇宙利用の研究協力で東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り込みを強め、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士の搭乗枠を与えるよう米国政府に要請しており、日本の実験棟「きぼう」での共同実験を想定しているという。日本メディアが伝えた。
日本の宇宙政策を立案する内閣府の宇宙政策委員会(葛西敬之委員長)は20日午後の会合で、ISSの新たな運用方針を協議し、早ければ月内にも決定する。日本は宇宙事業の共同研究、人工衛星の輸出などで、ASEANとの連携を強化する。
宇宙開発は安全保障とも絡む。日米両政府は宇宙をサイバーと並び、今後対策を強める安保分野として重視する。ASEANとはサイバー分野での協力を進めており、宇宙分野にも広げる。
米国はスペースシャトルの後継となる宇宙船を、2017年以降に運用する予定。ISSの搭乗員も1人増やし7人体制にする。
日本政府はこの増加枠をASEANに分与するよう求める。ASEANは日本人枠を利用する可能性もある。米国は自国の枠を大きく減らさない範囲で、ASEANへの分与に一定の理解を示している。
注意すべきは、搭乗する国には負担を求めるのが原則であることだ。日本は無人補給機「こうのとり」による物資補給を担い、カナダはISSに取り付けるロボットアームを提供している。ASEANがISSに搭乗する場合、100億円程度を見込む搭乗費用が課題になる。
ASEANに加盟するインドネシアやマレーシアなどは宇宙分野に関心を強め、通信衛星を打ち上げている。ASEANは今後、地球観測衛星なども含め、宇宙利用を加速させる構えだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月20日