美食は国境を越えた交流の手段
山本さんが今回中国にやって来たのは、原厨(北京)飲食サービス有限会社の顧問に就任するためである。文化を超えた交流が発揮できる美食に、山本さんは強い手応えを感じている。
美食を味わうという経験のあるなしに関わらず、美食を口にした瞬間に「おいしい!」と感じる心の感嘆は、誰でも一緒なのだ。
中国と日本は一衣帯水であり、若干の隔たりがあるいま、お互いが相手の本当の姿を理解することが迫られている。そして両国の飲食文化は疑いなくその媒介となってくれるはずだ。そう山本さんは考えている。 普通の日本人が初めて中国を訪れ、本場の中国の美食を味わえば、「うわぁ、おいしい」と感嘆すると同時に、中国人と中国文化に好感を持つ。同様に、中国人観光客が日本の街で美食を味わったとき、必ず日本に対する好感が生まれるはずだ。
「美食は、国家間の文化交流を促進させるだけでなく、人の心も通じ合わせることができる」と山本さんは語る。
「この40年でフランスへは200回以上行きました。様々なレストランで5000回以上食事しました。こうして深い経験を積み上げてきました。今後は同様の方法で時間と精力を中国料理の研究に費やしていきたいと考えています」。
「美食で文化交流を促進させる」というのは空言ではない。山本さんはすでに成功体験を持つ。長年にわたり日本とフランスで職の交流を促進してきた。そして2014年には、世界で2000人余りしか授与されていない農事功労勲章オフィシエが授与された。
「美食の力で中日両国の関係をより良くするため、私も精一杯努力していきたい」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月24日