日本僑報社が出版したシリーズ反戦本『8.15』(段躍中提供)
「2007年に出版した『偽満州国に日本侵略の跡を訪ねる』にも触れておきたい。この本の作者である青木茂さんは日本の公務員だが、2000年から2005年にかけて前後5回中国を訪問し、砂山万人坑、虎石溝万人坑、板石炭鉱万人坑、老頭溝万人坑、豊満万人坑、遼源鉱夫の墓など、中国東北部に日本が残した『偽満州国』時代の侵略の跡を調査した。青木さんは現地調査を通じて、写真と文章で詳細に『万人坑』を紹介し、動かぬ事実で日本の対中国侵略の犯罪行為を実証した」。
「日本軍が犯した中国侵略の犯罪行為を、日本人自身が勇気を持って立ち上がり証言し、詳細に記録しているのを目にして、日本の中国系出版社として、歴史の真相を後世の人々に伝えなければ、という強い責任感を感じた。そうすることで、日本の青少年教育に役立ち、より多くの人に当時の日本軍の犯罪行為を知ってもらい、『平和』がたやすく手に入るものではないことを分かってもらえる。そして幾世代にもわたる中日友好を促進できる」。段躍中氏は感慨深げにこう語った。
失われつつある証言を記録
2004年から、日本僑報社はきわめて困難な作業に着手した。元日本兵が中国侵略の犯罪行為について自供した歴史資料を世に出す作業である。「日中友好元軍人の会」が編集発行した月刊機関誌『8.15』を合本にし、1年に1冊のペースでシリーズ『8.15』として出版発行しているのだ。
段躍中氏によると、今年8月に出版されたばかりの『2014年の8.15』は「日中友好8 .15の会」が編纂した。同会の前身は1961年8月15日に発足した日本の反戦平和団体「日中友好元軍人の会」である。50年余りにわたって、同団体は500冊余りの日本語版月刊機関誌『8.15』を編集出版し、中国侵略戦争に参加した元軍人の証言を数多く掲載し、日本軍が中国で犯した犯罪行為を詳細に記録してきた