輸出も消費も投資もダメ 見せかけの「アベノミクス」

輸出も消費も投資もダメ 見せかけの「アベノミクス」。

タグ: アベノミクス

発信時間: 2015-09-13 12:00:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

安倍首相が自民党総裁に再選された日本では、経済的難題がますます膨らみつつある。多くの日本の学者が「失敗」の烙印を押した「アベノミクス」がまた連呼されれば、日本国民は喪失感を深めるだけだろう。

円安は、安倍内閣の主張する「大胆な金融政策」によるものだ。「大胆」とはすなわち、大量の通貨の市場への流入を促すことで、通貨が増えれば通貨レートも下がる。円安の恩恵を受けたのは日本企業だ。日本の経済系サイト大手の「東洋経済オンライン」は今年年初、次のような試算を出している。円が1円下がれば、トヨタの収益は400億円上がる。「アベノミクス」は日本企業の見た目の収益を押し上げた。企業にとっては、設備投資やリストラをしなくても収益が高まってくれるのだから、願ってもいないことである。企業収益が上がっているならと上場企業の株価も高まった。

国際社会が円安に危惧していたのは、日本製品の輸出激増だった。だが日本の輸出は3年経ってもまだ増えていない。神戸のクラッチメーカーの社長である板垣氏は筆者にこうもらしている。「為替変動で日本の生産競争力がほかの国より高くなっていることはわかっているが、我が社はすでに国外にも生産販売体制を持っている。もし均衡を破って、日本での生産品を国外に輸出すれば、我々が投資をしてきた意味がない。今後また円高になってから生産販売体制を再び海外に築くというのでは、海外メーカーとの競争はできない」

板垣社長によると、大量の部品と完成品を日本が輸出する時代はもう終わった。筆者はここ2年、日本のデパートを回っているが、これまで始業式前だけ棚に置かれていた小学生のランドセルが常に置かれるようになったことに気付いた。海外の観光客に人気だからだという。だが筆者の知る限り、日本のランドセルメーカーで大量生産に踏み切ろうとしているメーカーはない。日本市場の需要には限りがあり、闇雲に生産しても輸出が滞る恐れもある。「和牛」も同じである。海外でも高級牛と知られている「和牛」は円安で30%安くなった。しかし日本の牧畜業者は円安だからといって養牛業への投資を増やしたりしない。農民が大量の和牛を飼育して輸出するというのも現実的ではない。牛を1頭飼うのにも時間がかかり、飼養でも技術と資本が必要となる。

輸出が増えず、国内消費市場が振るわなければ、企業は日本国内に投資しようとはしない。日本ではほとんど工場を拡張するような現象は見られない。各企業は株式市場で少なからぬ資金を集めているので、銀行に融資を申請しなくても拡張は可能なはずだ。だが企業による投資戦略や産業新技術、新製品の発表のニュースは日本ではあまり聞かれない。輸出もなし、消費もなし、投資もなしの「アベノミクス」は見せかけの経済政策と言わざるを得ない。(陳言)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月13日

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