陳教授によると、強奪された文化財の返還には連合国軍が非常に厳しい条件がついていた。中国の戦時状況から言って、強奪された文化財のそれぞれの名称、大きさ、重量、写真などのデータ、いつ、どこで、どの日本軍に強奪されたかなどの情報を提示することは不可能である。
1948年に国際情勢は激変し、米国は公的に親日政策に転向した。米軍はほかの国に戦争賠償の放棄を説得し、日本の文化財で深刻な被害を被った国に賠償するという提案に反対した。米国などのこうした政策は、中国の利益を損害し、日本に強奪された文化財の返還を難航にした。
陳教授によると、前世紀に国際法に基づく文化財の返還のケースはあり、近年、ユネスコはさらに現代国際法の原則を打ち出している。戦争が原因で強奪・紛失されたどの文化財も返還されるべきという原則である。これはすでに国際社会の共通認識となっている。陳教授は、「中国の場合、きちんとした資料研究を踏まえ、データや日本流出の経緯を究明したうえで、法律面で返還の方法を検討することが急務である」と示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月16日