日本の野心
米国の戦略リスクアナリストのイアン・ブレマー氏は新刊書の中で、米国は、自身の実力が足りない状況下では、カギとなる地域に照準を絞り、戦略的な投入を行うべきだとの理念を提唱している。アジア太平洋地域はそのカギとなる地域の一つである。
だが日本がどの程度順従でいるのかについては、多くのアナリストが疑問を呈している。
オーストラリアの学者であるヒュー・ホワイト氏はある文章中でこう分析している。中国が台頭するに伴い、日本は、中国の影響力に不安を募らせ、米国の日本を守る能力に自信を失い始めている。米国は、日本の核心的な利益を守ることを明確に認めるか、「1945年以降に引き渡した戦略的な独立」を日本に回復させるかする必要がある。
「この二重の困難を前に、日本が出した答えは、これまでになく緊密に米国に寄り添う一方、自らもこのジレンマからの脱却をはかることだった」と、英紙「フィナンシャル・タイムズ」評論員のデイヴィッド・ピリング氏は指摘する。
2013年末、安倍首相は、米国の意向を無視して靖国神社を参拝した。これは、日本が永久に米国の言うことを聞くわけではないというシグナルだった。
分析によると、米国による日本の牽制には、3つの大きな制度面での保険があった。第一に平和憲法、第二に日米安保条約、第三に米国が主導する国際メカニズムへの日本の参加の奨励である。この3つの制度はすでに穴だらけである。
ある学者はさらに、戦争のような蓋然性の低い事件においては、攻撃者は自らの語る敵を能動的に攻め立てることは少なく、真っ先に陥落させられるのは往々にして攻撃者に宥和政策を取る友好国であると指摘している。
束縛を解き放たれた日本を米国はいつまで安心して見ていられることになるのだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月22日