集団的自衛権の行使を容認し、戦後の安保政策に大きな変化をもたらした安保関連法案は10月19日、成立から1ヶ月を迎えた。共同通信社によると、野党が安保関連法案の批判を続ける中、市民団体が18日に抗議集会を開いた。日本政府と与党は、論戦の舞台となる可能性がある秋の臨時国会の召集を見送ろうとしており、追及を回避する態度を示している。野党は来年夏の参院選に焦点を絞り、協力と共闘を目指している。
安倍晋三首相は18日、海上自衛隊の観艦式の訓示で、「もはやどの国も一国のみでは対応できない時代です。そうした時代になっても、国民の命と平和な暮らしは断固として守り抜く。そのための法的基盤が、先般成立した平和安全法制であります」と述べた。
来年3月末までに同法案が発効することを受け、政府は自衛隊の武器使用状況および手続きを規定する「部隊行動基準(ROE)」の改定を全面的に開始している。安保関連法案への反対を鑑み、政府は国内外で積極的に説明を行う。中谷元防衛相は今月20日に韓国を訪問し、韓民求国防相に安保関連法案の理解を求める予定だ。政府は国民向けの宣伝の充実化を検討している。
政府と与党は臨時国会の召集見送りの理由として、安倍首相の外遊日程を挙げた。
民主党などの野党は安保関連法案の廃案を求めており、これを参院選の論点にしようとしている。民主党の岡田克也代表は18日の街頭演説で、与党が「議席数により憲法解釈を見直す法案を成立させた」と批判し、「政権交代によって同法案を全面的に廃案にするしかない」と強調した。
民主党、共産党、社民党は14日、9月17日の参院平和安全法制特別委員会での安保法案採決の記録について、採決時の発言が「聞き取れなかった」と書かれてあるにも関わらず、「採決された」と記録されているのは問題であるとし、参議院事務総長に記録の撤回を求めた。
民主党は維新の党との合併の可能性を検討し、政策面のすり合わせを進めている。民主党はまた共産党・社民党と協力し、安保関連法案の廃案を求めた。野党は来年の参院選を見据え、候補者の調整などの選挙協力を加速することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月20日