日本の安倍晋三首相はこのほど、現職の首相としては初めて米軍の空母に乗艦した。
米国の戦略的重心のアジア太平洋回帰に伴い、中米の軍事力の西太平洋における「対峙と衝突」の状況が日増しに表面化している。日本政府に対して集団的自衛権の行使を容認する安保関連法案の成立を迫ったことは、その一つの例だ。
日本政府も安保関連法案により自衛隊を海外に進出させ、軍事強国の夢を叶えようとしている。この状況を受け、日米が同盟関係の堅固さをPRする一幕が演じられた。安倍首相が自衛隊の最高指揮官として、米軍の原子力空母に乗艦し、日米同盟の「戦友の情」を強調したのがそうだ。
しかしながら、米軍の原子力空母の停泊と応援があれば、日本は安全になるのだろうか?日米同盟の「戦友の情」を体感し、安倍首相は落ち着きを得たのだろうか?
政治家である安倍首相は、政権を握るためには米国の支持が極めて重要であることを、心中よく理解している。しかし隣国関係の長期的な対立も、その長期的な政治目標に利益をもたらさない。アベノミクスが日増しに力を失う状況下、隣国との外交の失敗は、安倍政権の最大の弱点となっている。
そこで安倍首相は2016年の参院選を鑑み、日米同盟を「死守」する一方で、外交戦略の調整を余儀なくされている。安倍首相は最近、谷内正太郎国家安全保障局長、公明党の山口那津男代表、自民党の二階俊博総務会長を派遣し、隣国関係の改善で得点を稼ごうとしている。
米国政府は東日本大震災発生時の、米軍による「トモダチ作戦」を再三PRしているが、日本国民は原子力空母「ロナルド・レーガン」を遠方より来た友として認めていない。安倍政権は国会で安保関連法案を強行可決し、自衛隊は米軍の行動により多く馳せ参じることができる。しかし日米両国・両軍の間には、多くの懸案がある。安倍首相は空母乗艦が、単なる「ショー」にすぎないことを心中よく理解している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月22日