安倍首相は今月22日にモンゴルを訪問し、その後トルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、最後にカザフスタンを歴訪する。カザフスタンは、安倍首相のモンゴル・中央アジア5カ国歴訪の最終目的地だ。安倍首相は27日、カザフスタンの首都アスタナで、日本政府と中央アジアの政策に関する演説を行う見通しだ。安倍首相は今回の中央アジア5カ国歴訪で、どのような目標を達成しようとしているのだろうか?
【中央アジアが人気急上昇】
カザフスタンメディアは、「中央アジアの重要性は近年高まり続けており、多くの国々が中央アジアとの政治・経済・貿易のつながりを強化し始めている」と報じた。
メディアによると、中央アジアの人気が急上昇していることには、主に次の2つの理由がある。まずは、豊富な資源だ。中央アジア諸国のうち、カザフスタンは石油を、トルクメニスタンは天然ガスを豊富に産出する。これらの国々は近年この豊富な資源により、高度成長を続けている。次に、戦略的な位置付けだ。中央アジアはユーラシア大陸の中心に位置し、重要な交通輸送の中枢となっている。
インドのモディ首相は今年7月に中央アジア5カ国を歴訪し、同地域の各国との関係の深化、石油や天然ガスなどのエネルギーの安全を模索した。
【2つの目標】
安倍首相のエネルギー面の考えは、想像に難くない。日本はインドと同じく、中央アジアの油ガス資源の一部を手にし、自国のエネルギー安全を保証しようとしている。カザフスタンメディアは、日本は技術を資源に変える方針に基づき、地域内の各国と連携しようとしていると報じた。
安倍首相は経済面で、インフラ整備の協力を推進する。日本経済新聞によると、日本の2012年のインフラ輸出額は10兆円だった。安倍政権は、この数値を2020年までに30兆円にするという目標を打ち出した。安倍首相はそこで、セールスマン役を買って出た。日本はこれまで東南アジア、インド、中東などに重点を置いていたが、中央アジアは今や安倍政権のもう一つの成長源になっている。
また一部のアナリストは、安倍政権が中国の中央アジアにおける「存在感」を妬んでいると判断した。アジアインフラ投資銀行の設立後、中国は中央アジア諸国とのインフラ協力を拡大しようとしている。これを背景とし、安倍首相は居ても立ってもいられなくなった。今回の歴訪でインフラプロジェクトを手にし、いわゆる「高品質」のインフラ整備により中央アジアにおける「知名度」を高めようとしている。
しかしカザフスタンメディアは、出だしから遅れた日本が加速し、その他の大国を追いかけるためには、資金不足が避けては通れない難題になると指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月26日