菅義偉官房長官は5日の記者会見で、「南中国海での自衛隊の活動は、わが国の安全保障に与える影響を十分注視しながら今後検討していくべき課題だ」と述べ、状況次第では南中国海に自衛隊を派遣する可能性があるとの考えを示した。菅長官はまた、「今、米海軍が行っている『航行の自由作戦』に自衛隊が参加する予定はない」と改めて強調した。6日付産経新聞が伝えた。
柴山昌彦首相補佐官は、政府が南中国海への自衛隊の関与を検討していることについて、「首相官邸でも検討している」と述べた。柴山氏は、「どれほど日本の死活的利益が当該地域で侵される危険性があるかを慎重に見極めるべきだ」とも強調した。
航空機による警戒監視活動への参加が選択肢とされるが、航続時間・距離の限界もあり、南中国海での継続的な活動は困難だ。自衛隊を南中国海に派遣する問題に対しては、国内でも「中国の過剰な反応を招きかねない」といった、異なる観点が示されている。そのため当面は、より抑制的な形で南中国海問題の関与を進めていくことになるだろう。
自衛隊は近年、東南アジア諸国軍への人材育成や技術支援事業を頻繁に実施している。日本政府はベトナム南部のカムラン湾を補給拠点として活用できるよう、ベトナム政府と最終調整に入っている。カムラン湾は南沙諸島に近く、対中けん制の狙いがある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月9日