「革新の魂」を呼び戻せない 衰えつつある日本の大手企業③保守的な社会 革新不足につながる

「革新の魂」を呼び戻せない 衰えつつある日本の大手企業③保守的な社会 革新不足につながる。

タグ: 革新 日本 大手企業

発信時間: 2015-11-06 17:14:49 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

早稲田大学の野口悠紀雄名誉教授は10月1日、「ダイモンドオンライン」で、「安倍氏の“新三本の矢”は日本を“失われた20年”から救出できない。市場需要の不足―革新を妨げるー革新の弱体化といった悪循環が繰り返されているからだ」という見解を示した。筆者は10月末、「産経新聞」で「7年来の大学生就職活動の失敗」に関する議論を目にした。それは、大手企業一筋の学生たちが就職活動を早々にあきらめたという内容である。調査によると、日本の若者たちの海外留学や起業の意欲はその他の国の同年齢層よりはるかに低い。ここ数年、ハーバード大学に留学する日本人は年々減少しており、一桁にまで縮小したという。米国留学者の数も、中韓に抜かれている。経済高度成長期に腕ある労働者を引き止めるために実施された終身雇用制度は、年功序列を特徴としており、給料は勤務年数と直接つながる。若者たちはリスクを覚悟して起業するより、大手企業で安定した生活を送りたいと考える。朝日新聞電子版は1日、英国のタイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表した世界の大学ランキングをもとに、「アジアトップだった東京大学の順位は大きく下落し、シンガポール国立大学や北京大学に抜かれてしまった」と報じた。これは日本各界の反省と懸念を呼び起こしている。

海外留学者数の減少に高齢化の影響が見て取れる。65歳以上の人口は国民全体の4分の1を上回った。留学や海外赴任は若者にとって大きな負担となり、日本国内の生活が最も安定かつ安全だという認識が広まっている。自ら進んで技術やコンセプトを導入することはどうでもいいことになり、社会の保守化がどんどん進み、改革・革新の雰囲気はますます薄らいでいく。高齢者たちは、日本社会の構造改革を必要ないものと見ており、経済面の改革に対してもそれほど望んでいない。ある65歳の高齢者はかつて筆者に、「われわれの最も大きな力は国に肩入れしてもらうことだ」と語ったことがある。選挙で投票に最も積極的なのは高齢者であり、政治家の政策も自然に彼らになびいていく。「高齢者全員に老後サービスを提供する」というのは、安倍氏が自民党総裁に再任した際に打ち出した「新三本の矢」の一つだ。

中国も将来、高齢化問題に直面することになるが、「大衆起業・万衆革新」のムードと熱意により、革新の勢いは一定期間維持できるだろう。筆者が東京で演説した際、中国経済専門の有名な研究者・江原規由氏が中国の起業・革新ブームを賞賛した。日本の若者たちは大手企業に入り、楽な生活を送りたがっており、「総裁になるなんて負担」と筆者に本音を吐く若者もいる。こうした社会において、革新難も理解できる。日本企業の数はここ20年、600万社前後を維持しており、中国の2年半で新規設立された会社数と同じである。

革新の滞りに伴い、日本社会の格差も大きくなり、貧困に陥る人は増え、現在の中産階級の地位を維持できなくなると意識する人もいる。一般人が革新に参加できるチャンスは少なくなり、熱意も冷めている。革新は市民の参加や支持はなく、市民への利益還付もない。こうした状況で、日本には後退という道しかない。安倍政権の保守主義は日本社会の需要に応えると同時に、日本のやむをえない選択でもある。革新の弱体化につれ、「失われた国」は長く続くだろう。(筆者 日本企業中国研究院の執行院長 陳言)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月6日

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