「国際製造業ランキング、日本は中国に抜かれる」「東京大学はアジア大学ランキングのトップの座から失墜」。日本メディアは最近、こうした「後退現象」を取り上げ、多くの日本人の反省を促した。筆者の日本ビジネス界の友人も、日本製造業の革新の魂の喪失について議論している。日本には現在、立ち遅れた産業も、立ち遅れた製品もある。一部の「老舗」企業は、世界で流行しているスマートフォン・タブレットPCへの精密部品の提供に満足している。保守に再び転向した日本は、深刻な高齢化・企業設備投資の不足・民間消費の縮小などの問題を抱え、革新はもう日本から遠ざかっている。「革新のピーク期」が終わり、新たな原動力を見つけ出せないままでは、「後退」の影からの脱出は難しい。
東京の家電量販店 日本製品も日本人客も影まばら
「日本経済新聞」の電子版は11月1日、マッキンゼー社による各国の国際競争力の調査結果を掲載した。同調査は、1980年から10年置きに各国の国際競争力のランキングを作っている。その結果によると、製造業のトップの座に居座るのは米国である。1980年代にドイツは2番目だったが、日本が技術革新を成功させたことにより90年代に日本にその座を明け渡した。日本は2010年まで2番目であり続けたが、その後、急速な革新を展開する中国に抜かれた。踏み止まった技術革新は日本の製造業に直接響き、世界の製造業における順位が他国に抜かれたという見方もある。
近年、日本は集積回路・ソフトウェア・IT・モバイルをめぐる国際基準競争のすべてで敗北したと指摘する日本の学者がいる。現在、世界で売れているスマートフォンの上位3位に、日本のブランドは一つも入っていない。こうした変化は、日本の家電量販店を回ればわかるはずだ。ヨドバシカメラにせよ、ビックカメラにせよ、店に入ってまず目に映るのはアップルのタブレットPCとスマートフォンだ。奥に進めば、レノボ、ASUSの製品が並んでおり、日本の東芝ノートパソコンの姿をたまに目にする程度である。パナソニックのパソコンは小型でアルミのケースが目立つが、価格はアップルより格段に高い。これらの家電量販店では、日本製品が少ないだけでなく、日本人の客足も遠いようだ。
客観的に言うと、日本は40年前あるいは30年前の革新により築かれた成果の恩恵を今でも受け続けている。格力電気の董明珠会長は、年初にメディアに対し、「中国人観光客が日本で便座や炊飯器を買いあさることは、われわれに技術革新の喫緊さを教えてくれる」と語った。筆者は東京で、中国人観光客を含む多くの外国人観光客の爆買ぶりをよく見かける。中国で生産されたものは多いが、革新のピーク期に生まれた日本の有名ブランドにはファッショナブル・安全・良質というイメージがある。昨今中国で起こった日本製「ランドセルブーム」もその証だろう。日本には確かに「一つの技術で世界を通す」というパターンがかつて存在したのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月6日