驚くべきなのは、このような条件を出している企業が少なくないことである。ある機構が全国の大学に対して行った調査によると、調査を受けた267大学のうち64.8%の大学が、学生のこうした苦情を受け取っているという。
注意すべきなのは、こうしたやり方を、企業が自身の利益を保護するためのものと正当化することはできないということである。この現象の背後にあるのは、企業による権力の乱用であり、反抗することのできない休職中の学生の基本的な権利の侵害であり、企業間の公平競争の無視である。一歩引いて考えれば、こうした手段で学生を引き止めることができたとしても、将来の職場でのハラスメントの被害者を増やすだけとも言える。
冷静に考えれば、本当に自信を持っている企業であれば、学生が別の企業を受ける邪魔をするまでもなく、学生が最終的に自社を選ぶだろうと考えることだろう。だがこの混乱の中、選考を繰り下げた企業は割りを食い、戦々恐々とならざるを得なくなり、ほかの企業に遅れを取ってはならないと考えるようになる。そうなれば、「学生の授業や論文を邪魔しない」という当初の目的の実現はさらに遠のく。
就職活動のこうした混乱を前に、日本経団連も、来年は選考開始を2カ月前倒しして6月とすることを発表せざるを得なくなった。新たな措置がどのような効果を生み、来年の就活がどのような状況になるのか、注意深く見守っていく必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年12月20日