日本は少子高齢化の泥沼に陥っているが、若者が恋愛と結婚を避けるという現実は、この問題をさらに深刻化させている。専門家は、日本社会の「結婚も恋愛もしない」という傾向には、面倒くさい、金がない、ネットに夢中、女性が退職したがらないといった一連の原因があるとした。
・原因その一 恋愛が面倒
日本の結婚仲介業者が2015年に発表した調査結果によると、日本の20代の若者のうち、74.3%が「交際相手がいない」と回答した。1996年の同調査では50%だった。
内閣府が7000人の若者を対象に調査を実施したところ、20代の独身者のうち4割が「結婚相手を探そうとしていない」と回答した。これらの回答者は原因について、「恋愛は面倒」「自分の趣味に時間を使いたい」とした。
東京都の大学生の中村さんも、その一人だ。中村さんは、恋愛よりもパソコンでゲームをするか、男友達と徹夜でチャットする方を好むという。中村さんは、「彼女とデートをするならば、身だしなみに気をつけて、どこに遊びに連れていくか悩まなければならない。これは実に面倒だ」と語った。30歳までに結婚するかと聞かれると、中村さんは「その可能性はないと思う」と答えた。
・原因その二 恋愛のモデルの不在
一部の専門家は、日本の若者が前の世代よりも結婚に消極的なのは、両親の結婚生活が十分に幸福とは言えず、二の舞を演じたくないと考えているからだと分析した。
『恋愛しない若者たち』の著者である牛窪恵さんは、「若者たちの両親はなにも一日中大声で口論したり、離婚騒ぎを起こしているわけではない。ただし彼らの結婚生活は、十分に幸せなようには見えない」と話した。
牛窪さんによると、1980-90年代に一世を風靡した恋愛ドラマが流行らなくなり、若者は「恋愛のモデル」や、愛に溺れるという欲望を失っているという。
またインターネットの利用も、多くの男性が恋愛したがらない原因だ。中村さんは、「アニメの中ではすべてが理想的だ。女子は可愛らしく魅力的で、男子はイケメンでたくましい。私は自分の生活もこうあればと思う」と語った。
しかし中村さんは現実に帰ると、女性のルックスに失望し、自分も優秀でないことに気付かされる。「私は現実の生活に興味がない、動画を見ていれば十分だ」