韓国政府と日本政府はしばらく前、米国政府の仲立ちの下、慰安婦問題解決のため日本が韓国に10億円の賠償金を拠出することで合意した。韓国が今後、日本に対してこの問題を持ち出さないことが条件とされた。
このニュースを聞いた人は誰もがそう感じただろうが、韓国を「乞食」か何かのようにみなして、金をやって追い払おうという姿にしか見えない。
だがこのような合意を韓国人が受け入れられるだろうか。その結果、事態はますます悪化している。
資料:韓国ソウル城南市に立てられた4個目の慰安婦少女像
韓国人は今、厳寒を恐れることなく、日本の駐韓国大使館の前に韓国の民衆が自ら資金を集めて立てた「慰安婦少女像」の周りに集まり、夜を徹してこれを守っている。韓国と日本が締結した合意によって、韓国人の尊厳を象徴するこの銅像が撤去されるのではないかとの恐れが、人々をこの行動に駆り立てている。
それだけではない。韓国メディアの報道によると、首都ソウルでは、多数の大学生団体によって組織された「日本軍慰安婦韓日交渉廃棄のための大学生対策委員会」が昨年12月30日から、街頭での静かな抗議を続けている。大学生らは、韓日政府の合意の誤りを市民に説明し、慰安婦少女像を守る活動に参加するよう人々に呼びかけている。
韓国の人々は、慰安婦少女像の前で記念撮影したり、少女像の下に無数の励ましのメッセージを残したりしてこれに応えている。一部の市民は、抗議の学生にカイロやホットコーヒー、毛布などを差し入れている。
だが日本側は、譲歩の意図はまったく見せていない。日本メディアの報道によると、日本はすでに、「慰安婦少女像」が撤去されなければ、韓国への10億円の支払いを認めることはできないとの強硬な姿勢を示している。
国内で沸き起こる民意によってもともと窮地に陥っていた韓国政府だが、今回の日本の言論によってついに怒りを露わにし始めた。韓国政府はすでに、日本の大使館員を呼び、日本が少女像の撤去を求めていることに強く抗議し、慰安婦少女像は民間で自発的に立てられたものであり、政府が撤去しようと思って撤去できるものではないと説明した。韓国政府はさらに、「韓国は慰安婦の記憶遺産申請をやめる」という日本外務省の説明を正式に否定し、韓国の民間による取り組みに政府は干渉できないとの立場を明らかにした。
韓日両国が締結した合意が有名無実となる可能性は高い。米国の介入は効果を上げなかったばかりか、韓国はさんざんな状況に追い込まれている。日本に再び侮辱されたばかりか、国内もさらに騒然となりつつある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月6日