インドと日本の沿岸警備隊は今月15日、チェンナイの沖合で合同演習を実施した。訓練の重点は海賊取り締まりと救助、両軍間の連携。海上保安庁の巡視船「えちご」が11日にチェンナイを訪問し、今回の合同演習に参加した。日本の武装船は約3ヶ月ぶりにインドを訪問し、合同演習に参加した。インドと日本が軍事交流・協力の強化を続けるのは、中国の軍事的脅威に共同で対処するためと分析されている。
共同通信社の1月14日の報道によると、防衛省海上幕僚監部は、護衛艦「まつゆき」をインド海軍主催の国際観艦式に派遣すると発表した。海上自衛隊の艦艇が、インド海軍の招待を受け観艦式に出席するのは2001年ぶりで、今回で2回目。また、まつゆきは今月下旬からシンガポールからインドへ向かう海上で、米国とオーストラリア海軍と通信などの合同訓練を実施する。産経新聞は、米日豪の合同演習は南中国海の海域で実施される予定となっているが、これには中国けん制の狙いがあると報じた。
中国の軍事専門家の尹卓氏は、日本の最近の行動に対して一定の警戒心を持つべきだと指摘した。インドと日本は海洋国であり、非常に多くの利益を手にしている。両国の法執行部門による協力や合同演習は、正常な現象だ。しかし安倍晋三首相が再任後、いわゆる「ひし形包囲網」(安全保障ダイヤモンド構想)という概念を提唱したことに注意が必要だ。このひし形の4点は、米ハワイ、日本、インド、オーストラリアとなっている。また日本は先ほど南中国海の、範囲が狭く参加国が異なる「小さなひし形包囲網」(日本、フィリピン、ベトナム、インドネシア)の形成を打ち出した。安倍首相はこの理論の実践により、インドをいわゆる「ひし形包囲網」に抱き込もうとしている。だが遠慮無く言わせてもらえば、このような考えは非現実的で馬鹿げている。安倍首相は自らの力を過信している。「ひし形包囲網」の中心と支柱はいずれも日本であり、米国は地域の安全事業は日本が決めることではないとしてきた。そのため米国が認めることはなく、安倍首相の構想は極めて非現実的である。次にインドにも自国の考えがある。日本との安全協力を強化するのは、海軍の装備・技術の支援を受けたいからだ。しかしインドと中国の共通する利益の重要性は、食い違いを大きく上回っている。インドは独立した自主的な外交政策を持つ大国であり、インドが日本の言いなりになる可能性はほとんどない。
米日豪は今年2月、南中国海で合同演習を実施する。尹氏は、これは非常に消極的な動きだと指摘した。中国は米国が主張する南中国海の「非軍事化」に賛同しており、南中国海の係争を武力衝突の方向に導こうとしていない。ただし事実上、米国は自ら南中国海の「軍事化」に取り組み、各国(特にフィリピン、ベトナム、ASEANのその他の国)と合同演習を強化している。米国と日本は南中国海で何度も合同演習を実施しているが、今や地域外の国であるオーストラリアを巻き込んでいる。これは南中国海情勢を複雑にし、大きな悪影響を形成する。日本が軍事費を惜しまず南中国海に積極的に介入するのは、中国への圧力を強めるためだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月19日