東京の神田学士会館で20日夜、日本の日中関係学会の2015年度第3回理事会が行われ、会長を務める宮本雄二元在中国大使が「中国の現状と日中関係の展望」をテーマとした年頭講演を行った。
宮本元大使は、ニュース解読の中に大使を担当していた時の記憶をはさみ、中国の政治経済や社会の現状、中国の今後、中日関係の展望などの内容を分析し、中国に対する認識を深めたいと考える130人の来場者を前に1時間半にわたる「中国探究コース」を開いた。
両国関係の展望について、宮本元大使は、「両国首脳は日中友好関係の改善の舵を切った。しかし相互信頼がまだ足りず、なかなか大胆に前に進めていないのが現状である。日中関係は放っておけば良くなるというものではなく、歴史関係や地政学的対立などの影響を受け、むしろ悪化していく一方をたどる恐れもあるだろう。それゆえに、理性的に考えれば、両国には安定した協力関係を作る以外に選択肢はない。短期的には、安全保障面での危機管理を強め、経済の相互協力関係を深化させなければならない。中長期的には、国民レベルの相互理解の増進と主要国が参加する地域的な経済および安全保障の枠組みを構築しなければならない」と語リ、両国関係の改善を熱望する思いを示した。
また、同学会が主催した「第4回宮本賞(日中学生懸賞論文)」の授賞式も行われ、「学部生の部」24人、「大学院生の部」27人、計51人の応募論文から13本の受賞作品が選出された。日本大学商学部3年の方淑芬さんらによる「日中経済交流の次世代構想~華人華僑の新しい日本展開を巡って」論文が最優秀賞に輝いた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月21日