軍事技術の面から見ると、日本がTHAADの導入を検討するのは、主に国内の2段構えのミサイル防衛システムの不備を補い、より整った3段構えの防衛システムを構築するためだ。
日本の2段構えのミサイル防衛システムのうち、第1段はイージス艦のSM-3で、迎撃高度は100キロ超。第2段は大気圏内低層の迎撃で、地対空ミサイルPAC-3が使用される。迎撃高度は20キロ未満。
第2段の迎撃システムは、第1段のミスに備え設置されている。しかしPAC-3だけでは、弾道ミサイル(朝鮮のノドンなど)を低空で迎撃することはできない。このミサイルは大気圏に再突入する速度が速く、毎秒3−7キロに達するからだ。
THAADは通常、高度20−150キロでミサイルを迎撃する。そのため日本は同システムの上にイージスシステム、下にPAC-3を合わせることで、3段構えの迎撃システムを構築しようとしている。