国連安保理改革に関する政府間交渉が、9日に実施された。インドの駐国連代表は、常任理事国5カ国による拒否権が「濫用」されていると述べた。インドや日本などの国は「迂回」戦術を採用し、新常任理事国は拒否権行使を当面見送るとし、積極的に常任理事国入りを目指している。
安保理常任理事国の英国、中国、ロシア、米国、フランスは拒否権を持つ。共同通信社によると、日本、ドイツ、ブラジル、インドの4カ国グループ(G4)は、現常任理事国が改革案に反対しないよう、新常任理事国は拒否権を15年間行使しないとしている。ロシア・スプートニクによると、ロシアの駐国連代表は9日の国連総会で、現在の世界情勢は安保理が拒否権を廃止できるほど調和的とは言えず、拒否権は集団決定枠組み内で安保理加盟国が妥結を求める重要な要素だと述べた。
中国人民大学国際関係学院副院長の金燦栄氏は、「中国は常任理事国の拒否権を支持している。この拒否権の確立は、第一次・第二次世界大戦の痛ましい教訓から生まれたものだ。常任理事国の拒否権が廃止されれば、大国の食い違いが交渉のテーブルではなく、戦場で解決されることになる。この拒否権はさらに、地域の衝突の防止、地域の覇権を手にしようとする一部の大国をけん制する積極的な力を発揮している。日本やインドなどの最終目標は、常任理事国入りし拒否権を持つことだ。常任理事国の数が増えれば、拒否権の重要性が低下し、かつ多くの国が拒否権を持つことで国連の行動力が失われることになる。現在の5カ国の拒否権を維持するべきだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月11日