香港ディズニーランドは現在、オープン間近の上海ディズニーランドの挑戦を受けている。そして今月7日、香港ディズニーランドCEOの金民豪氏が突然辞職した。日本経済新聞ウェブサイト中文版は、ミッキーマウスとミニーマウスで中国本土を惹きつけてきた香港の「魔法の国」は、その魔法が徐々に消失しかけていると嘆じている。
香港ディズニーランドは7日、同ランドで8年働いてきた華人CEOの金民豪氏が、個人的理由で辞任したと発表した。香港メディアが8日に報じた。現副COOの劉永基氏が同氏の後を引き継ぐ。報道によると、金民豪氏は2008年にCEOに就任。当時はリーマンショックの真っ最中にあり、2008年の同ランドの赤字は15億7400万香港ドルに達した。その後、2012年に初の黒字転換を果たし、1億900万香港ドルの利益を出した。それ以降は黒字が続き、2014年度に売上高を新記録となる54億6600万香港ドルまで伸ばし、純利益は3億3200万香港ドルとなった。しかし2015年度は営業収益が51憶1400万香港ドまで減少。4年ぶりの赤字となった。赤字額は1億4800万ドルで、入場者数も前年比9.3%のマイナスだった。売上額やホテルの宿泊率などが軒並み前年を下回った。このような結果が金氏の辞任につながったのだと業界は推測している。ところが内部情報筋によると、同社の2大株主であるディズニー社も行政府も、昨年の業績不振は外部環境がもたらしたものだと認識しているほか、金民豪氏に対しては、任期中に赤字から黒字転換をした人物であり、ディズニーと市民との距離を近づけた人物だという認識を持っているという。
中国大陸の観光客の減少に伴い、今年はさらに厳しくなる可能性が高い。ビジネスをする人間は常に2つの数字、つまり支出と収入を見るものだ。収入が減るならば、切り詰めるしかない。香港ディズニーランドはすでに経費削減を行っており、今後もそれを続けるのは容易ではない。しかも今年は上海ディズニーランドとも競争しなければならない。どれだけの顧客が流れるか分からないが、香港ディズニーランドは今後さらに厳しくなっていくというのが大方の見方だ。
香港ディズニーランドの入場者のうち、中国大陸からの観光客が全体の4割以上を占めている。それ以外は、香港からが4割弱、他の地域からが2割弱である。55億ドル以上を投資して作られた上海ディズニーランドが6月中旬にオープンすれば、香港ディズニーランドにとって大きな打撃となるだろう。
香港ディズニーランドは、規模が上海ディズニーランドの3分の1しかないのが最大の弱点だ。香港理工大学ホテル観光業管理学院の副教授であるマークス・シュッカート氏は、「香港ディズニーランドが他のディズニーランドと対抗するためには、規模の拡大が急務である」と指摘する。香港ディズニーランドは現在、長年棚上げにしていた拡張計画を再開させている。2017年までに750室規模のホテルを建設するほか、年内には新たなアトラクションがオープン予定である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月14日