日本がODAで中国対抗、ASEANは静観か

日本がODAで中国対抗、ASEANは静観か。

タグ: ODA,日本

発信時間: 2016-03-12 09:12:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

共同通信社は9日、外務省が正式に公表していない2015年版「開発協力白書」の全容が判明したと報じた。白書の内容によると、日本は政府開発援助(ODA)を利用しASEANのインフラ整備と海上安全保障の強化を支援し、より緊密な協力により中国対抗を目指すことになる。九州大学の学者は9日、「日本は発展途上国の建設を支援するODAを、安保パートナーを抱き込む利益の道具に変えている」と指摘した。しかしこれは日本の独りよがりかもしれない。ASEAN諸国は国家発展を鑑み、日本の中国対抗の動きに積極的に迎合することはない。

同白書は、同地域は日本のシーレーン上に位置する「政治・経済両面で極めて重要な地域」とし、ODAによりASEAN諸国のインフラ整備、海上安全保障の強化を支援するとした。共同通信社によると、日本政府は昨年2月、外国の軍隊への援助を認めるためODA大綱の見直しを行った。日本はASEAN諸国に、より多くの巡視船を提供する意向を持つ。『週刊東洋経済』の記事によると、日本政府がフィリピンやベトナムに提供する安保装備は常に「劣悪品」であり、中国の南中国海における装備の方がはるかに先進的だ。これは日本政府のODAが、「非軍事用途」に限られているからだ。同誌は、政府はペースアップし、関連条項・法律の見直しを進めるべきだと論じた。

共同通信社は、2015年版の同白書の内容を見ると、日本が「南中国海の中国をけん制」し、「ASEANを抱き込み中国と対抗」しようとしていることが分かると指摘した。一方で中国は日本の南中国海問題への干渉に警戒を維持しており、両国の摩擦が強まりそうだ。

アジアのインフラ整備は巨大な市場を秘めているため、「日本の高品質のインフラ投資」が必要不可欠だ。中国主導のアジアインフラ投資銀行の開業を鑑みると、「インフラ整備そのものが目的であってはならない」。同白書はまた、「インフラ整備によりアジアを世界経済の成長の中心とする。現地で雇用機会を創出し、技術を伝授することが重要だ」とした。

九州大学の学者は9日、「ASEAN諸国にとって、開発が最も差し迫った需要となっている。日本のODAは重要だが、中国から提供されるチャンスも放棄できない。そのためどちらかの側に立ったり、漁夫の利を得ようとするのは賢明な措置ではない。ASEANは日本が期待するような中国対抗の実質的な動きを見せる可能性は低い。日本はODAを政治、さらには安保と結びつけようとしているが、これは短絡的な戦略だ」と述べた。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月12日

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