日本の「インダストリー4.0」を軽視するな

日本の「インダストリー4.0」を軽視するな。

タグ: 日本 インダストリー4.0

発信時間: 2016-03-20 16:04:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

2013年にドイツで行われた世界最大の産業見本市「ハノーバーメッセ」で提起された「インダストリー4.0」は、その後急速にドイツのもう1つの名刺になった。おそらく誰も予想しなかったことだが、ドイツと同じくグローバル製造業の第2グループに入る日本では、2010年の段階で「インダストリー4.0」の概念が提起されており、中味はドイツの概念と同工異曲だ。日本版インダストリー4.0の提唱者は日本ネット業界のリーダー的人物の藤原洋氏。氏は著書「第4の産業革命」の中で、日本版インダストリー4.0の概念は製造業に限られたものではなく、世界のすべての民族、すべての国家、すべての産業に共通する「第4の産業革命」だと強調した。目的は世界が持続可能な発展を遂げることにあり、その中にドイツのインダストリー4.0も含まれる。中国証券報が伝えた。(文:張鵬)

同著書は第一次産業革命(英国の動力源と蒸気機関の革命)、第二次産業革命(ドイツと米国の重工業革命)に続く第三次産業革命(米国の情報技術<IT>革命)がもたらした「エネルギー環境問題」に軸足を置き、第四次工業革命(環境エネルギー革命)の歴史的必然性、革命の発展を推進する原理と具体的技術の本質、世界と日本の現状および具体的方針を説明する。

一般的に、ドイツを代表とするインダストリー4.0はモノのインターネットとスマート製造業が主導するもので、プロジェクトには主に3つのテーマがある。1つ目は「スマート工場」で、スマート化された製造システムと製造プロセス、およびネットワーク化された分布式の製造設備の実現を重点的に研究することだ。2つ目は「スマート製造」で、主に企業全体の製造・物流管理、人と機械の連動、工業製造プロセスにおける3D技術の応用などに関わることだ。3つ目は「スマート物流」で、主にインターネット、モノのインターネット、物流ネットワーク、総合的物流資源を通じて、既存の物流資源の供給側の効率を十分に発揮し、需要側がふさわしいサービスを迅速に受けられ、物流面の支援を得られるようにすることだ。

ドイツと異なり、日本のインダストリー4.0はスマートグリッドが主導するもので、太陽エネルギー、高温超電動直流送電技術、電気自動車の3大技術は日本の環境エネルギー産業が国際競争力を備えるための基礎産業だ。藤原氏によると、日本が第二次世界大戦後から現在までの間に直面した経済危機の本質は、化石燃料に依存した工業製品の輸出産業が衰退に向かったこと、経済が首都圏に高度に集中したこと、またエネルギー資源と食糧を外国からの輸入に過度に依存したことにある。こうした経済的問題を解決するための秘訣は「エネルギーと情報の地産地消モデル」で、このモデルを構築するにはまず太陽エネルギーをはじめとする再生可能エネルギーによる「地産地消型エネルギー電力網」(送電ネットワーク)を構築し、次にホワイトスペースを中核とした「地産地消型情報電力網」(スマートメーターネットワーク)を構築し、最後にエネルギー電力網と情報電力網を合併させ、エネルギーと情報の地産地消モデルを確立することが必要だという。

現在、日本は地産地消モデルの構築を目標として、実証実験を始めており、今後5年にわたる見込みだ。藤原氏は著書の中で、「日本には世界でも最も卓越した環境エネルギー技術があり、世界の発展途上国が直面する問題を解決する力がある。国際競争力という点からみても、日本の先端技術を有効に利用してエネルギー革命の世界基準を確立する必要がある。そういうわけで日本社会は率先して『太陽光経済』社会に移行しなければならない……こうした試みが成功すれば、世界はエネルギー不足、水と食糧の不足、紛争や戦争といった困難な状況から開放され、日本も世界各国から尊敬されるようになる」との見方を示す。

こうした意義から考えて、日本は別の方向や側面から第四次産業革命を率いているのであり、中国がドイツのインダストリー4.0をベンチマークとしてうち出した「メードインチャイナ2025」戦略は実のところ東西2つのインダストリー4.0がぶつかりあい包囲し合って生まれたものだ。あまり知られていないことだが、中国は世界の製造業の4つのグループのうち第3のグループに属しており、こうした状況が短期間で根本的に変化することはあり得ない。製造強国になるには少なくとも30年の年月を要する。第四次産業革命は中国でも始まっており、メードインチャイナ2025が「革新による駆動、質が優先、グリーン発展、構造の最適化、人が中心」との基本方針を真に堅持しようとするなら、東西2つのインダストリー4.0に対する十分かつ冷静な理解が必要だ。隣国日本で起こりつつある「太陽光経済」を軽視してはならない。

「人民網日本語版」2016年3月20日


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