ロイター通信は29日、平和憲法の自衛隊に対する規制を緩和する法案が、火曜日に発効したと報じた。これは日本が自衛隊を創設した1954年以来の、軍事・安全政策の最大の変化だ。同法案により、日本は戦後初の海外参戦が可能になる。しかし日本国民の同法案に対する観点は二極化している。日本国内の多くの反対者は、安保法が平和憲法に違反しており、日本が海外の戦争に巻き込まれるリスクを拡大したとしている。
NHKは29日、国会周辺の道路が28日夜より、安保法に反対する人で混雑していると報じた。反対者は「戦争反対」「憲法を守れ」「私たちは忘れない」といったスローガンを叫んだ。抗議デモの参加者は、大学生や高校生などの若者と、大学の研究者が中心だった。毎日新聞によると、29日には日本の少なくとも35都市で、安保法の施行の抗議集会が開かれた。安保法に反対する団体は廃案を求める署名活動を起こし、すでに約500万人の署名を集めている。野党も29日、7月の参院選で廃案を求めると表明した。
日経新聞によると、安保法には「平和安全法制整備法案」、他国軍に即座に後方支援を提供できる新法「国際平和支援法案」など11本の修正案が含まれる。憲法9条は、集団的自衛権の行使を禁じている。安倍政権は2014年7月に憲法解釈を見直し、集団的自衛権の行使を容認した。今回の安保法の施行により、集団的自衛権の行使に法的効力が備わる。また後方支援を提供する他国軍および支援内容の範囲が拡大された。これは自衛隊と米軍の一体化を加速し、自衛隊が未知の領域に足を踏み入れることを意味する。共同通信社によると、安倍晋三首相は29日午前の参院予算委員会で、安保法の正式な施行により「(日米は)緊急事態で互いに協力し、同盟の絆を強めることができる」と述べた。ロイター通信によると、安倍首相は中国について言及し、「法案は中国の台頭など、日本が新たに迎える課題にとって極めて重要だ」と述べた。
安保法施行当日、日本の国会では史上最大規模の防衛費が可決された。時事通信社によると、安倍政権が国会に提出した2016年度予算案は29日、連立与党の賛成多数により可決された。日本の防衛費は前年度比1.5%増となり、初めて5兆円の大台に乗った。
上海交通大学日本研究センター長の王少普氏は、「安保法は、日本のこれまでの専守防衛政策を根本から変えた。日本はまた東アジア、アジア太平洋、さらにはより広い範囲内で米国の戦略に協力できるようになる。アジア太平洋情勢の緊張が深まる」と懸念した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月30日