日本の対中投資の現状を客観的に受け止めるべき

日本の対中投資の現状を客観的に受け止めるべき。

タグ: 日本 対中投資

発信時間: 2016-04-06 16:42:56 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国商務部が発表した貿易統計によると、2015年の日本の対中投資額(金融を除く実質投資)は前年同期比25.2%減の32億1000万ドルに縮小した。中国社会科学院世界経済と政治研究所の倪月菊研究員は、日本の対中投資の変化をさまざまな角度から受け取るべきだとし、両国の政治関係の冷え込みは確かに投資に響いたが、円安や中国経済の構造転換・人件費向上・日本の投資地域及び投資構造の変化などの重要な要素も見逃すわけにはいかないと語った。

一、円安による日本対外投資の全体的な縮小

「アベノミクス」の1本目の矢といえば、金融緩和である。同政策の影響を受け、2013年と2014年の円対ドル相場はそれぞれ20.5%と12.2%下落した。そのため、ドル建ての日本のFDI の縮小も自然なことである。

円安は日本製品の輸出競争力を強化し、リスクを犯してまで工場を海外に移転する必要はなくなった。対外直接投資は大幅に縮小し、中国もその例外ではない。

二、中国経済の減速が対中投資縮小の主な原因

中国経済の減速は、外資引き入れの弱まりにもつながる。外資誘致のための優遇政策が規範化されたため、「利益が薄くなる」と外資は感じる。

バリューチェーンのボトムにある外資系企業にとって、中国の人件費が大幅に向上したことで、投資を拡大するより現状維持が最重要課題となった。中国経済の減速の背景のもとで、日本だけでなく、米国などの外国からの投資も明らかに縮小している。

三、日本の海外投資の地域調整も一つの要因

投資先で日本が現在最も重要視しているのは北米である。データによると、2013年のアジア・北米への投資額はそれぞれ前年より20.9%と30%増加した。2014年は大幅な円安によりドル建てのFDIが全面的に縮小する中、北米の縮小幅は6%と最も小さく、アジアは13%縮小した。

北米を重視する原因は2つ挙げられる。一つは韓米・韓欧FTA締結の影響を受け、自動車などの日本製品の国際市場におけるシェアが縮小しつつあること。市場を確保し、韓米FTA の影響を回避するため、日本はTPP交渉と欧州FTA交渉を急ぐほか、北米や南米に対する投資、特に自動車分野への投資を拡大した。もう一つは中日関係が冷え込む現在、日本は米国との経済連帯を深めることにより日米同盟の強化を図る思惑がある。

投資構造を見ると、日本の対外投資の重点分野は変化し、製造業中心から金融・農業・鋼鉄・石油などに転向している。2013年は金融・小売などの非製造業への新規投資が56%増の9兆1000億円だったのに対し、製造業への新規投資はわずか5%増だった。2014年、中国香港・中国台湾・シンガポール・ニュージーランド・ルクセンブルク・スペイン・サウジアラビア・南アフリカへの直接投資はそれぞれ53%、43%、114%、776%、118%、395%、1433%、765%増加した。上述の国には、金融・農業が発達している、または鋼鉄・石油などの資源に恵まれているなどの共通点がある。ここから、日本の投資構造の大きな変化が伺える。

 

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