日本が「防災の達人」になったわけ 中国人記者が現場取材

日本が「防災の達人」になったわけ 中国人記者が現場取材。

タグ: 防災の達人,消防栓,避難,地震

発信時間: 2016-05-07 10:53:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

記者は4月17日から23日にかけて、トヨタ(中国)が援助する「中国青年トヨタ環境保護援助行動」の訪日研修団に同行した。日本の環境保護や都市建設、自動車工業の発展の背後にある理念と文化について、女性記者の観点から探ってみた。

日本では1年あたりの地震発生回数が1500回以上に達する。1日平均で4回だ。世界で最も地震の多い国であり、世界の地震の10%が日本とその周辺地域で発生する。世界で発生するマグニチュード6以上の地震のうち、日本は20.5%を占める。

2011年3月11日、日本の北東海域でマグニチュード9.0の地震が発生し、津波を引き起こした。15,894人がこの東日本大震災で命を落としている。

大阪の阿倍野防災センターで答えを探った。日本の防災教育は3つに大別できる。学校、家庭、社会での各教育である。

日本では子供から高齢者まで、いたる所に防災教育が存在する。学校教育では、幼稚園から大学まで教育が完備されている。幼稚園と小学校では、先生が子供たちを連れて防災演習に参加する。シミュレーション施設を通して災害に遭った際の対応方法をリアルに伝えている。これら訓練を通じ、子供たちは何をどうすべきかを熟知するようになる。中学や高校になると学習レベルがアップする。学校では1年に一度、地震災害演習を行っている。日本で20年以上生活する関先生によると、地震は生活の中に溶け込んでおり、市民は地震を怖がるというより、地震といかに共生するということを考えているという。

家庭での教育を見てみよう。世帯主はハードとソフトの両面で地震からの影響を最小限にしようとしている。ハード面から見ると、日本の住宅は比較的小さく、梁を堅固にすることで倒壊を防ぐ。室内家具はできるだけ大きな食器棚や冷蔵庫を避け、地震で倒れて人を傷つけることを防ぐ。食器棚にカギを付け、地震の揺れで中にある皿などが飛んでこないようにする人もいれば、テレビを固定している人もいる。ソフト面で見ると、各家庭でランドセルぐらいの大きさの「防災袋」を常備している。中には水や食べ物、懐中電灯、タオルなど応急用品が入っている。これらは定期的に取り替えられ、期限切れを防いでいる。

社会における教育を見てみよう。日本政府は「災害対策基本法」、「大規模地震対策特別措置法」、「済南救助法」などの法律を整備し、制度面から災害時の救援活動を保障している。日本の多くの場所では建築が小規模である。東京のような大都市だけに高層建築が建っている。建築物はみな高レベルの耐震処理が施されている。同行した関先生によると、日本で家を買うときは耐震構造など全ての設計図面をチェックできるという。高層建築の最上階の四つ隅には耐震コマが設置されている。もしビルが左側に傾斜したとき、コマは右側に傾斜する。こうしてビルの倒壊を最大限防いでいる。学校と政府の建築は通常の建築物より耐震要求が高い。そのため、学校は地震発生時の公共避難所になる。政府部門の建築物が堅固なのも、災害時の指揮を問題なく進めるためである。また日本の地震予報システムもかなり整備されている。今回の熊本地震のように、市民は地震の10秒前に地震注意のショートメールを受け取る。これを通じて避難のための貴重な時間を提供することができる。

訪日前、記者は日本の健全な防災教育システムを見聞きしていた。実際に現場で学ぶことでさらに深く理解することができた。日本は防災教育を子供のころから教え、細部を重視している。教育や啓発の手段も、単純な説教だけに留まらず、様々な体験方法で人々に防災意識を植え付けている。防災教育は学校内だけでなく、企業や家庭、地域まで浸透している。地震が発生したとき、平時の訓練から市民は焦ることはない。こうして被害者を最小限に食い止めている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月7日

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