日本は中国へのけん制を強化するため、G7サミットを利用し、欧州各国の南中国海問題への関心を強めようとしている。共同通信は5月5日、安倍晋三首相がG7伊勢志摩サミットにおいて、国際法の秩序維持を切り口とし、欧州諸国の関心を集めることを検討中だと報じた。中日首脳会談を年内に実現させるため、安倍政権は二国間関係の悪化を避けようとしており、難しい舵取りが強いられそうだ。
同メディアは中日外交筋の話として、「4月30日に北京の釣魚台国賓館で日中外相会談に出席した中国の王毅外交部長は、日本が実行に移せるかを見る必要があると述べた。昼食を含め4時間以上続いた会談は、南中国海・釣魚島問題を巡る駆け引きに終始した」と伝えた。
4月に広島で開かれた主要7カ国(G7)外相会合の共同声明には、「緊張のエスカレートを招く一方的な行動に強く反対する」と記された。日本メディアによると、中国と昨年7兆円以上の経済契約を結んだ英国を始めとして、欧州各国は中国との関係を深めており、声明の中で直接名指しにすることはなかった。
欧州歴訪中の安倍首相は今月2日、フランスのオランド大統領と会談した際に、南中国海問題の懸念をめぐりフランス側から「共鳴」を得たという。共同通信は、「しかしながら、世界経済回復の実現というサミットの中心的な議題において、中国との政策面の協力が不可欠になることは間違いない」と分析した。
安倍首相は9月に中国で開かれる主要20カ国・地域(G20)サミットで、中国の国家主席との会談を目指す。中国は先ほどの日中外相会合で、「4つの願いと要求」を発表した。これには種種雑多な「中国脅威論」「中国経済衰退論」を散布し、これに同調しないという内容が含まれる。伊勢志摩サミットの議論は、中国が日本側の動きを注視する雰囲気のなか展開される。
日本メディアは、日本が各国と中国への圧力を拡大する一方で、両国関係改善の流れを維持することはできるかと疑問視している。伊勢志摩サミットの成果は、安倍政権の外交の今後を占う試金石になりそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月6日