日本の安倍晋三首相は欧州、岸田文雄外相は東南アジアを歴訪し、会談の中で何度も南中国海問題を取り上げた。
中国外交部の洪磊報道官は4日の記者会見で、「中国は日本に、南中国海問題で存在感をアピールしないよう忠告する。日本が地域の平和と安定に向け建設的な力を発揮することを願う」と述べた。
新華社のインタビューを受けた専門家は、「域外国である日本は、南中国海問題で偏執狂のように存在感をアピールしているが、これは伝統的な中国けん制の政策による発想だ。外交では日中関係を改善すると言いながら、あちこちで『中国の脅威』を誇張している。国際政治における二面性を露呈している」と指摘した。
【私的利用】
安倍首相は5月1日より、イタリア、フランス、ベルギー、ドイツ、英国の訪問を開始し、5月末に日本で開かれるG7サミットの準備を整えようとした。訪問の最終目的地は、ロシアだ。海外メディアの報道によると、安倍首相はイタリア、フランス、EUの首脳と会談した際に、南中国海問題に何度も言及し、訪問先から反応を得ようとした。
その一方で、岸田外相はタイ、ミャンマー、ラオスを訪問した際に、南中国海問題を「重要問題」として何度も言及し、「中国の脅威」を絶えず誇張した。
【軍事的な動き】
南中国海問題を積極的に誇張するほか、日本は婉曲的な軍事活動により、同地域に介入している。
日本とフィリピンは昨年6月、南中国海で合同演習を実施した。日本のP-3C対潜哨戒機は2日連続で、南沙諸島の中国領・礼楽灘付近を飛行した。これは国際社会によって、日本の南中国海事業への介入の重要な動向と見なされた。その後、日本とフィリピンは軍事交流を続けた。両国は軍備を巡る協定を締結し、日本はさらにフィリピンが南中国海の巡航に使う、練習機5機を貸与することになった。
さらに安倍政権は近年、ベトナムなどとの軍事協力を積極的に強化している。これには軍艦の訪問、中古巡視船の提供などが含まれる。日本のおやしお型潜水艦は今年4月3日、フィリピンのスービック湾に15年ぶりに寄港した。