共同通信の情報によると、日本の安倍晋三首相は5月6日にロシアのソチを訪問し、ロシアのプーチン大統領と非公式首脳会談を開く。ウクライナ危機により、日本政府が西側諸国が宣言した対ロ経済制裁に追随したため、計画されていたプーチン大統領の訪日が現在も実現されていない。今回の日ロの歩み寄りは、両国関係にどのような影響をおよぼすだろうか。
・各自の需要
ウクライナ危機の勃発を受け西側諸国が対ロ制裁に踏み切ったあと、日本の首相がロシアを訪問するのは今回が初だ。ロシアと西側諸国の関係はやや和らいでおり、ロ日がウクライナ問題という政治的な重荷を下ろす絶好の機会だ。双方には関係改善の動機が存在する。
中国社会科学院日本研究所外交研究室長の呂耀東氏は、本紙のインタビューに応じた際に、「安倍首相がこの時期に訪ロするのは、主要7カ国(G7)サミットと関連している」と指摘した。G7サミットは今月末、日本で開かれる。朝日新聞は先ほど、安倍政権がG7復帰に向けロシアを招待する意向を持っていると伝えた。
呂氏は、「安倍首相はこの機会を借り、プーチン大統領がG7サミット会期中に訪日するよう働きかけ、主催国としての影響力をアピールし、日ロ関係の回復を促そうとしている。安倍首相は欧州5カ国歴訪後にロシアを選び、日本が西側諸国とロシアに同じ姿勢を示していることを、プーチン大統領に印象付けようとした」と分析した。
安倍首相の意欲的な訪問を、ロシアも楽観視している。北京外交学院教授の周永生氏は、「ロシアの国内経済は苦しい舵取りを強いられており、日本を通じてこの経済の苦境を乗り越えようとしている。またロシアはこの機会を借り、西側諸国を瓦解させようとしている。安倍首相の訪ロについて、日米間で意見の食い違いが生じたようだ。ロシアはこの機会を借り、米日同盟間に楔を打とうとしている」と述べた。