日本の安倍晋三首相と岸田文雄外相はそれぞれ欧州と東南アジアを歴訪し、南中国海問題に何度も言及した。日本と関係のない問題で「存在感」を無理やりアピールし、中国けん制を試みた。
イタリアやフランスとの首脳会談において、安倍首相は何度も南中国海問題に言及し、反応を得ようとした。また5月末のG7サミットに、南中国海問題を盛り込もうとした。岸田外相はタイ、ミャンマー、ラオスを歴訪中に、南中国海は「切実な課題」と何度も称し、中国の南中国海における「軍事化」に「懸念」を表した。
南中国海問題を誇張し続けるほか、日本は実質的な行動で地域への影響力を高めようとしている。例えばフィリピンに南中国海の巡航を強化させるため、練習機TC90(計5機)を貸与する方針を発表した。海上自衛隊はフィリピン海軍と南中国海で合同演習を実施し、フィリピンとベトナムに軍艦を派遣し、見せつけるようにしてスービック湾とカムラン湾に寄港させた。
日本の最近の南中国海を巡るさまざまな動きは、伝統的な「中国けん制」という政策の発想によるものだと分析されている。日本は積極的に南中国海問題で「存在感」をアピールしようとしているが、その裏には自国のさまざまな「計算」がある。
南中国海問題を利用し「中国の脅威」を誇張することで、安倍政権は改憲・軍拡の野心の口実を見いだすことができる。南中国海問題で中国をけん制することで、釣魚島問題で主導権を手にしようとしている。南中国海問題を利用し中国とASEAN諸国の分断を図り、ASEANにおける影響力を拡大しようとしている。日米同盟関係の需要により、日本は米国の南中国海の情勢を乱す行動に積極的に協力する必要がある。さらに機会を利用し国際的な地位を高め、国際海洋秩序の構築における影響力を強めようとしている。
しかし日本が南中国海情勢を乱しても、同地域の安定と発展に寄与することはなく、むしろ南中国海問題を複雑化させ、地域の未来の不確定性を高めることになるのは明らかだ。中国外交部の洪磊報道官が、「南中国海問題において日本は域外国だが、最近ほとんど頑なに『存在感』を示そうとしている。日本が第2次大戦時に中国の南中国海の島や礁を不法に侵略・占領した良からぬ過去、現在の南中国海問題における良からぬ魂胆を示したにすぎない」と指摘したとおりだ。
中国側は何度も、南中国海問題は当事国の協議によって平和的に解決されるべきであり、域外国は南中国海の平和と安定のため建設的な力を発揮すべきだと表明してきた。日本は自国の利益のため地域情勢を複雑化させるのではなく、南中国海情勢の安定に寄与するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月9日