オバマ米大統領は今月下旬、広島を訪問する予定だ。現職の米大統領が日本の被爆地を訪問するのは初。この情報は、直ちに物議をかもした。オバマ大統領が第二次大戦中の核攻撃について日本に謝罪するかとメディアが推測するなか、日本の安倍晋三首相もオバマ大統領に「呼応」し、真珠湾を訪問し「戦争の犠牲者」に哀悼の意を捧げることを検討しているという情報が伝わった。ここで一つの問題が浮上した。核攻撃と真珠湾事件という日米の「恨み」をめぐり、誰が誰に謝るべきなのだろうか?
日米のメディアはさまざまな推測をしているが、米政府は次のようにはっきり回答している。オバマ大統領の被爆地訪問は「正確な決断」であり、第二次大戦のすべての犠牲者に哀悼の意を捧げ、「核なき世界」を提唱することができる。しかしどのような場合であっても、米国が謝罪することはない。
オバマ大統領の広島訪問が近づくなか、日本メディアは次のような情報を伝えた。オバマ大統領が広島訪問を決定後、日本政府内で安倍首相を真珠湾に訪問させる提案がなされたというのだ。この説はその後、日本政府によって否定されたが、新たな議論を呼んだ。米国に謝罪させたければ、日本も真珠湾事件について謝罪するべきではなかろうか?
米国が原爆について謝罪することに、日本社会が期待しているという説がある。これは理解できないことではない。しかしながら、日本政府は被害者としてのイメージを過度に強調するべきではなく、旧日本軍が真珠湾奇襲で太平洋戦争を起こし、米軍が全力で反撃することになった原因を作ったことを直視するべきだ。そのため安倍首相は真珠湾を訪問し、歴史を直視するべきだ。
またオバマ大統領の広島訪問後の5月30日(米国の戦没将兵追悼記念日)、真珠湾を訪問し犠牲者に哀悼の意を捧げるべきだと安倍首相に提案する人もいる。こうすることで、オバマ大統領が「日本に頭を下げた」と批判する米国人の口をふさぎ、「米国人の感動」を勝ち取ることができるというわけだ。
しかし安倍政権は、オバマ大統領が謝罪しないことではなく、謝罪することを心配するべきかもしれない。
安倍首相は昨年の「終戦70年談話」の中で、戦争について謝罪せよという海外からの要請をあしらい、次の世代に侵略の歴史の謝罪を続けさせるべきではないと称した。オバマ大横領が広島で謝意を示せば、安倍首相は不利な立場になる。
そうなれば、日本に謝罪を求める声は、昨年より強くなるかもしれない。安倍首相が謝罪を拒否すれば、日本の国際的なイメージが大幅に低下するだろう。謝罪すれば、国内の保守派の不興を買う。まさにジレンマだ。
真珠湾以外にも、旧日本軍の侵略を受けた国も、同じ待遇を受けるべきだという意見がある。旧日本軍は非人道的な南京大虐殺を行っており、日本政府はこれを回避できない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月19日