日本が直視すべき「福島という問い」

日本が直視すべき「福島という問い」。

タグ: 福島 原発事故

発信時間: 2016-05-25 16:16:55 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本政府の放射線測定器ではすべてが「正常」。安倍晋三首相によれば放射性汚染水は「アンダーコントロール」で「まったく問題ない」。しかし人々が福島で放射線量を自分で測ってみると、その値は「正常」の8倍から10倍。放射性汚染水はいまだに海に流れ続けている――。新華国際時評が伝えた。

福島の原発事故は発生から5年間、発酵を続けている。日本政府は異常なほど楽観的で、福島の子どもたちの甲状腺がん罹患率が平均の数十倍という調査が出ても、原発の放射能漏れとは無関係だときっぱり否認する。

この5年間、事故の被害者や影響を受けた周辺国に対し、日本はまともな応答をしてこなかった。福島上空には依然として疑念の雲が重くたちこめている。

災害が発生した当初から「福島という問い」は常に問われ続けてきた。だが答えは得られず、問いは積み重なるだけである。日本が意図的にまた無意識に事実をうやむやに処理しようとしているということは、国際機関や専門家の一致した見方となっている。

例えば事故当初、国際原子力機関は情報をなかなか得ることができなかった。事務局長自らが日本に赴いて政府に問いただして初めて、日本側は関連情報を提供したという。ロシアの放射線防護科学委員会メンバーのヴァレリー・ステパネンコは何度も日本の同業者を批判し、福島の被災者の放射線量の遡及的分析をなぜしないかと詰問したが、彼らは沈黙するかお茶を濁した。

事故の直接資料は今になっても不足しており、独立した調査も行われていない。福島原発事故は、人類史上わずか2回のランク7の事故の一つだが、その影響に対する各国の専門家の知識は限られている。苦しみと孤独の中に置かれた甲状腺がん患者の家庭は無視され、脇に追いやられている。

「国家の忘却の願望」。仏紙ル・モンドの記事は3月、日本政府の原発事故対応の「思い」をこう総括した。

人々は、災難を超えて次のページをめくりたいと思っている。だがカギとなるのは、どのような態度で現実に向き合い、いかなる出発点からその後の処理をするかである。

日本政府がわざと原発事故の影響をなんでもないもののように伝えているのは、国際的に言えば道義と責任感に欠けた態度である。国内的に言えば、各種の政治圧力を逃れようとする態度である。日本のイメージに影響が出ないよう、2020年の東京五輪の安全性に対する懸念が海外から起こらないようにと必死である。

確かに、国家イメージや食品の安全、観光の影響、原発政策、医療保険負担、公害訴訟など、日本政府の心配の種は尽きない。だがこうしたことが政府の秘密主義の理由になってはならない。

これほど重大で影響の大きい原発事故を前に、影響を受けた国民に対しても、国際社会に対しても、日本は重きを避けて軽きに就く理由はない。

米ウッズホール海洋研究所の専門家Ken Buesseler氏は、将来的には国際調査委員会または国際科学者が事故の影響を長期的に研究する必要があると指摘する。独立した第三者の調査も必要だ。ステパネンコ氏も、日本が直面している問題からは、国際社会が、国境をまたいだ重大事故の情報公開を監督する基準を制定することを必要としていることが示されていると指摘する。

政治またはその他の目的で災難を無視することは、災難そのものよりも恐ろしいことである。日本は世界に向け、「福島という問い」に答えることを迫られている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月25日

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