アベノミクス、野心を隠す政治的手法

アベノミクス、野心を隠す政治的手法。 安倍晋三首相は選挙前、さまざまな場で経済政策について語り、最大の宿願である「改憲」を巧みに心中に隠した…

タグ: アベノミクス

発信時間: 2016-07-11 13:05:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

第24回参院選の開票が10日、行われた。これは第3次安倍内閣が初めて迎えた大型国政選挙だ。日本各メディアが11日早朝に発表した統計データによると、連立政権を組む自民党と公明党はそれぞれ56議席、14議席を獲得し、改選議席数の半数(61議席)以上となった。与党の参議院の議席数は146議席に達し、選挙に圧勝した。

安倍晋三首相は選挙前、さまざまな場で経済政策について語り、最大の宿願である「改憲」を巧みに心中に隠した。アベノミクスと消費増税延期などを議題とし、票を集め、最終的な「平和憲法」改正の地ならしをしようとした。

安倍首相の中心的な政治目標は経済ではなく、改憲だ。安倍首相本人も、これを否定していない。安倍首相は2014年末の衆院選の勝利後、「改憲は私の宿願、自民党創設以来の目標だ」と公の場で表明した。

「政治的野心」の前進をアベノミクスで覆い隠す、これは安倍首相の長年に渡る常套手段だ。安倍首相は2012年末の就任後、金融緩和・財政拡張・構造改革を中心とするアベノミクスを打ち出した。短期的には市場を刺激したが、直ちに金融緩和の「一人芝居」になった。財政・税制改革が遅れ、構造改革は口だけで実施されなかった。日本経済は衰退に陥った。

この局面を見据え、安倍首相は長期政権運営に向け、2014年11月に衆議院を解散した。「日本経済の回復の道に問題が生じた」「アベノミクスの国民の信を問う必要がある」などを口実とし、有権者の支持を集めることで続投を決めた。しかし安倍首相は選挙後、集団的自衛権の行使容認を軸とする安保法改正に勢力と政治資源を注ぎ、最終的に安保法を強行採決し、平和憲法の礎を蝕んだ。

内需と外需が同時に疲弊する日本経済に対して、安倍首相は尋常ならざる「落ち着き」を示している。より大胆な金融政策を実施するほか、財政健全化と構造改革の有効な措置は限られている。選挙中の「壮言大語」を忘れ、次がなくなった。

安倍首相は選挙中に「経済のカード」を切ることに長けているが、疲弊する日本経済が安倍首相の成果を裏付けられなくなったことに注意すべきだ。アベノミクスは既定目標を実現しておらず、日本の経済回復を促す力もない。一般人の生活は改善されていないばかりか、中産階級の低迷、貧富の格差の拡大といった社会問題が激化した。国際通貨基金を含む各種研究機関と世論調査が、同様の結論を導き出している。

日本の識者は、アベノミクスが日本経済の劣勢を変える誠意ある策ではなく、単なる「アベノポリティクス」であることを見抜いている。これは安倍首相が政治目的を実現するため使った「糖衣錠」だ。聞こえの良い約束と市場のバブルにより票と支持率を集め、軍拡や改憲などの政治的野望の道を切り開くのだ。アベノミクスは日本人に「経済回復」という利益を描いて見せたが、実際には野心と私心を包み隠す政治ツールにすぎない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月11日

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