フィリピンが申し立てた南中国海仲裁案の臨時仲裁裁判所は12日、いわゆる「最終裁決」を発表したが、これは違法かつ無効だ。中国はこのいわゆる裁決を受け入れず、認めない。
南中国海の係争と無関係の域外国である日本は、南中国海問題で「存在感」をアピールし、あちこちで火を煽り立て、緊張ムードを醸成した。日本は日中関係改善をよく口にするが、あちこちで「中国の脅威」を喧伝している。
今回の臨時仲裁裁判所の構成は、日本との間に切っても切れないつながりを持つ。裁判官の人選に関わったのは、時の国際海洋法裁判所の日本人裁判官の柳井俊二氏で、元駐米大使でもある。5人の仲裁裁判所のうち、柳井氏が4人の仲裁員を指定した。残りの1人はフィリピンのアキノ政権が指定。そのため裁決の結果の公平性については、言わずと知れている。
臨時仲裁裁判所に直接干渉するほか、日本は内外の戦略でも、南中国海問題への介入の準備を十分に整えていた。アキノ政権が2013年1月、一方的に南中国海仲裁案を申し立てると、就任して間もない日本の安倍晋三首相はフィリピンと目配せを続けた。その後、日本は外交・輿論・法律・支援者・軍事などのさまざまな手段により、南中国海問題の「対中包囲網」を構築した。国際会議、二国間会談、国際フォーラムなどさまざまな場において、安倍政権はわずかな機会も逃そうとせず、絶えず南中国海問題で火を煽った。安全政策面で、日本は安保関連法案を採決し、日米軍事同盟を強化し、南中国海沿岸の関連国に巡航・監視設備および能力建設・研修を提供した。さらには自衛隊機が頻繁に南中国海周辺地域に姿を現している。
上述した事実から、安倍政権の行為がすでに緊張のアップグレードの扇動から、緊張を作り出す程度にまで達していることが分かる。
域外国の日本は、大いに気勢を上げ南中国海事業に介入しているが、その下心は言わずと知れている。まず南中国海問題で中国をけん制し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題でより多くの主導権を手にし、東中国海問題における圧力を軽減する。次に南中国海問題を利用し「中国の脅威」を騒ぎたて、安倍政権の改憲と軍事的野心の口実とする。それから日米同盟関係を強化し、南中国海問題で積極的に米国の妨害行為に協力する。それと同時に自国の世界における地位を高め、国際海洋法秩序の制定における影響力を強化する。最後に、南中国海問題を利用し中国とASEAN諸国の分断を図り、日本のASEAN地域における影響力を拡大する。
歴史は過去の政治であり、政治は現在の歴史だ。日本は偏執的に南中国海で「存在感」をアピールしているが、これは中国の領土主権と海洋権益を少しも揺るがさない。むしろ日本が第二次大戦中に中国の南中国海の島嶼を侵略した犯罪の記録を、それから現在の日本の南中国海問題における良からぬ下心を浮き彫りにしただけだ。旧日本軍は70年前の太平洋戦争中、南沙諸島に海軍基地を建設し、これを飛び板とし当時のインドシナ、シンガポール、インドネシアなどに攻撃を仕掛けた。70年後の安倍政権は再び南中国海をかき乱しているが、予想していた効果を得られるとは限らない。
南中国海の係争は、当事国の交渉により平和的に解決されるべきだ。域外国は南中国海地域の平和と安定に向け、建設的な力を発揮するべきだ。日本は南中国海情勢の安定に資することを多くするべきであり、自国の私利のために波風を立て、地域情勢を複雑化させるべきではない。どれほど大きな波風でも、ついにやむ日が来る。歴史は誰が南中国海を足早に通り過ぎる客であるか、誰が南中国海の真の主人であるかを証明するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月18日