そのため米日などの国が南中国海仲裁案に対して特定の立場を持たないというよりは、ASEANが立場を一致させなかったため仕方なく妥協したと言える。また下半期の外交の見せ場は、中国で9月に行われるG20サミットだ。米日はこの時期に、サミットに向け友好的な雰囲気を醸成しようとしたと思われる。
しかしこれは、中国に圧力をかける駒である仲裁案を、米日が放棄したことを意味するのだろうか?実際にはそうではない。米国のいわゆる「特定の立場を持たない」は、外交辞令を続けているだけで、その誠意を見るためには行動を観察する必要がある。日本は近年、南中国海で狂ったように「存在感」をアピールしている。中国の東中国海の力をけん制し、東中国海方面の戦略的な圧力を軽減する一方で、「中国脅威論」を喧伝することで改憲に向けた外部環境を構築しようとしている。
日本は今後、さまざまな行動により南中国海問題に深く介入していく。まず、日本は「米日印豪」安全対話などの各種メカニズムを利用し、「共同巡航」を唱え続け、順調な実施に向けチャンスを作る。次に、日本はASEANの関連国の支持を求め、ベトナムやフィリピンなどに武器や訓練などの軍事支援と経済援助を提供し、関連国における存在感を高める。それから、日本が輿論戦・外交戦を止めることはない。日本メディアが報じたように、日本は今後さらに東アジアサミット外相会議、日本・ASEAN外相会議などの場を利用し、南中国海の仲裁に言及を続けることになる。
そのため南中国海問題において、日本は意図的に低姿勢になるのではなく、「高圧的」になり続けるだけだ。中国はこれに備えが必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月28日