10日付朝日新聞によると、中国が今月に予定していた孔鉉佑・中国外交部長補佐(外務次官補)の訪日取りやめを日本側に伝えた。日本は、中国の王毅外交部長の訪日と、9月のG20首脳会議における中日首脳会談が見送られることになると懸念している。日本メディアが報じた孔氏の訪日取りやめについて、中国外交部報道官弁公室は11日、環球時報に対して「中日両国の外交部門間では、正常な意思疎通と対話が維持されている」と答えた。
朝日新聞によると、中国が今月中旬に予定していた孔氏の訪日取りやめを日本側に伝えた。日本情報サイト「日本新聞網」によると、孔氏は王部長の今月下旬の訪日の地ならしをする予定だった。中日韓外相会談のほか、王部長は日本側の高官と会談し、中日外相会談を開き、G20首脳会議で中日首脳会談を開く計画について具体的に議論する予定だった。王部長の訪日が実現されれば、3年前の外交部長就任後で初の訪日となる。これに向け孔氏は事前に訪日し、調整をする予定だった。孔氏の訪日取りやめにより、王部長の計画も取りやめとなり、中日首脳会談の開催が困難になると見られる。朝日新聞によると、日本政府関係者は「外相会談で対話ムードを高め、G20で首脳会談につなげるシナリオは崩れつつある」と述べた。朝日新聞は、中国が外交高官の訪日を取りやめたのは、中国公船の釣魚島における活動に対して日本が再三抗議していることへの不満によるもので、「一定の対抗の意味合い」が込められていると論じた。
日本側は中国高官の訪日により中日首脳会談が実現されることを願いながら、一方で別の動きを繰り返している。時事通信は11日、「今村雅弘復興相は11日、敗戦記念日に先立ち靖国神社を参拝し、さい銭を入れた。3日の内閣改造後、閣僚による靖国参拝が明らかになったのは初めて」と報じた。共同通信によると、昨年の敗戦記念日に、当時自民党政調会長だった稲田朋美防衛相も靖国神社を参拝していた。
中日間から伝わってくるのは、悪い情報ばかりではない。共同通信は「11日未明、釣魚島北西約65キロの公海で、ギリシャ船籍の大型貨物船と中国漁船が衝突し、漁船は間もなく沈没した。第11管区海上保安本部によると、貨物船から遭難通信を受け、海保の巡視船と航空機が現場に向かった。海上保安庁の巡視船が漁船の乗員6人を救助、行方不明の8人を捜索している。外務省は、外交ルートを通じて救助を中国政府に伝え、中国側は謝意を表明した」と報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月12日