前回の金融危機から10年が経とうとしているが、世界経済はどのように回復しているだろうか?世界各国の人々は自国経済をどう見ているのだろうか?米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが9日に発表したリポートによると、米国、日本、EU諸国の人々が自国経済の先行きを楽観できないと感じている一方で、中国、インド、オーストラリアの人々はポジティブな見通しを示している。
多くの国々では、自国経済に対する信頼感はあまり変わっていない。世界首位の米国も、経済危機前の水準を目指すという程度だ。
米国の調査では、自国の経済情勢が「良好」と答えた人の割合は全体の44%だった。2009年より27%上昇したが、金融危機前の2007年の50%を下回った。米国では、政治的な要因が人々の経済に対する評価に影響する。米国経済を高く評価したのは保守派で37%にとどまったが、穏健派では45%、リベラル派では55%に上った。
米国と比べ、中国人は自国経済に大きな自信を持っている。中国の経済成長はここ5年間ややペースダウンしているものの、調査対象の87%は経済情勢が「良好」だと認識している。インドとオーストラリアでも、それぞれ80%と57%の人々が「良好」と回答した。
日本人は自国経済への信頼感が欠けており、楽観的な見方を示したのはわずかに30%だった。近年、日本人の自国経済への見方は大きく変化しており、景気後退観測が4年ぶりに浮上している。
欧州では調査対象の10カ国のうち、「良好」と答えた国は半分にも満たないが、スウェーデン、ドイツ、オランダではそれぞれ76%、75%、61%の人々が「良好」と答えた。
世界でギリシャより経済状況が悪い国は無いだろう。ギリシャで自国経済の見通しが「良好」と答えたのはわずか2%で、97%が悲観的な見方を持っている。ギリシャの経済成長率は2007年から26%後退しており、失業率も23.5%に達している。
IMFはかつて「2016年の世界の経済成長は比較的緩慢で脆弱」との見通しを示していた。取材した12カ国のうち、この1年で自国経済の先行きに自信を強めたと答えた国は少数で、この見通しと一致する。また、日本とカナダでは、悲観的な見方が2015年より増えている。
多くの国で自国経済の見方に男女差はあまり無いが、欧州では男性の方が女性に比べて楽観的な見方を示している。
今回の調査は、ピュー・リサーチ・センターが今年4月4日~5月29日にかけて、16カ国2万132人を対象に実施した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月11日