議論の場としてのイノベーションを -「東京-北京フォーラム」に向けて-

議論の場としてのイノベーションを -「東京-北京フォーラム」に向けて-。

タグ: 東京-北京フォーラム

発信時間: 2016-08-29 18:26:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

昨年10月24日に北京で行われた第11回「北京-東京フォーラム」の分科会「経済対話」の締め括りとして、中国側の司会を務めた中国国際経済交流センターの魏建国副理事長は、「企業のために、どこにビジネスの連携や協力の可能性があるのかを示すことが課題である」と指摘された。それに続いて日本側の司会を務めた日興リサーチセンターの山口廣秀理事長が、「今後はより具体的にどのように実施していくかについて、フォーラムに参加している日中の企業関係者が考える」必要があるとの認識を示した。この指摘と認識は大変重要なことで、ここにその解を見出すことができると思う。

繰り返しになるが、現代経済学理論によって導き出される総花的な結論が既に出し尽くされた中で、仮に、マクロ的な話題に対してさらに議論を進めるのであれば、現代経済学理論では説明のつかない問題に対し、次元の異なる理論・発想法を以て解を求める以外に道はない。しかし、現実的には一定の方法論が確立されている現代経済学の手法を覆しての議論は限りなく不可能に近いのが現実だ。

こうした現状を踏まえれば、大きな会議で議論するべき今後の方向性は、魏副理事長や山口理事長が提起したように、「具体的なビジネス協力の実施方法」にあることは明白である。実際に、我が日中経済協会が主催者として名を連ねている「日中省エネ・環境総合フォーラム」や「日中経済協力会議」では、参加企業などから、実際のビジネス協力の具体的なプロジェクトにつながるビジネス・マッチングや企業交流の機会を求める声が年々強まっている。

もちろん、こうした大規模な会議では、宣伝効果の高いハイレベルの交流の場としての要素を盛り込むことも重要だ。しかし、多くの参加者は、より具体的なビジネスに直結する議論や出会いを求めており、主催者の立場としては、そうした参加者のニーズにできる限り応えるよう努力する必要がある。つまり、会議自体のイノベーションが求められているのだ。

過去11回もの開催経験を有する「東京-北京フォーラム」は、テーマの選定は別として、会議の運営方法について、今後どのように発展させ、進化させていくかが期待されるところである。

(本稿は筆者個人の意見であり、中国網や所属機関を代表するものではありません。)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月29日

 

 

 

     1   2  


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。